道は、必ず続いている。〜魔王佐々木寿人の業火と山部正人の夢物語　麻雀最強戦2024【ファイナル1st Stage】観戦記【B卓】文 千嶋辰治

リーチ直後の山部。

役牌のトイツ落としからのリーチはピンフ手へ渡った場合が多い。
打点が上がった可能性にプラスして良型テンパイを果たしていると踏んだ山部は、

ここから現物のドラを切らされて一歩後退。
さらにその次巡、

山部を翻弄するが如く、今度はが暗刻に。

これが来るならドラは手放さなかったかも… と考えたくなるが、前に出ようとすれば手が詰まりそう。山部はその袋小路にハマってしまうことを嫌ったのだろう。

ならば、これはどうか？
最強戦の魔物が山部の鼻先に甘い香りを漂わせる。

阿久津が河にを並べる。
それを観て、山部が手を止めた。

 

ソーズを捌いて阿久津のリーチを蹴る道があるのか？
その可能性を必死に探った山部だったが、結局は動かず。

もしも、山部がに飛びついてしまったらどうなっていたか。

リーチの裏でチンイツのイーシャンテンに構えていた大介。
山部の先ほどのツモがだったのでテンパイが入っており、

次のツモが！
大介の満貫ツモが炸裂しており、寿人と山部の立場が非常に苦しくなっていた。

しかし、すんでのところで声を飲み込むことができた山部は魔物に取り込まれず難を逃れ、魔物に代わって現れたのが…

山部にとってはヒーローである「魔王」佐々木寿人。

力みなく河に置かれたは阿久津の無筋。河に5枚切られているのテンパイを入れると、

 

4枚目のが阿久津の手に入って寿人への放銃。
打点は2,900と安いものの、魔王が阿久津と大介の勝負手を一瞬で焼き払った。

その後寿人は、

技アリのヤミテンで阿久津から6,400を討ち取った大介から、

これまた6,400をアガって盤石のトップ目に。
魔王の業火に当てられる阿久津と大介を横目に、必死に耐えている山部が2番手でオーラスを迎える。

南4局1本場。
アガれば明日の2ndステージに進める山部。

この手牌をどう捌くか？

山部はを選択。こうしておくとタンヤオの仕掛けが可能になりそう。
次巡、

をツモって打。そして、を引いてイーシャンテン。

のトイツが手に残っていると、カンかカンのテンパイが入っており、一見後手を踏んだように見えなくもない。
しかし、程なくがヘッドになってテンパイし、

ドラのとが振り替わって出アガリ可能なテンパイに成功。
さらに、残しの最速テンパイ手順では、この場面に対応できなかったかもしれない。