10000点のリードを守り切らなくてはならない山部は一発目に無筋を引き、撤退を余儀なくされる。
小宮の作戦勝ちといったところか。
終盤にこれをツモアガり、2000オールと大きな加点になった。
更に次局2600オールも加点して山部、松嶋を突き放す。
南4局
小宮が先制リーチを放つ。ここはトップ目の桑田と共同作業になる。
二人はこの局を終わらせれば勝利なのだ。
松嶋は逆転の可能性を秘めたイーシャンテンで、後ろを向くことは許されない。
山部も手牌は追いついてないものの、目を瞑って前に進むしかない。
二人の願いも虚しく、大量リードを持った桑田から放たれるに小宮が声を掛けてゲームセットとなった。
山部、松嶋はここで敗退となってしまった。
あと一枚。何かが違っていればその山頂に立つ資格があった二人である。
ここまで素晴らしい麻雀を魅せてくれてありがとう。
そして、勝ち上がった小宮、桑田は優勝まであと一勝と迫まった。
日本で一番麻雀が強いやつは誰なのか。その答えが今──────
坪川義昭(つぼかわよしあき) 日本プロ麻雀協会5期前期生。雀王戦B1リーグ所属。行政書士法人石田事務所に勤務。 https://www.ishida-tomoyuki.com X(旧Twitter): @eehounotsubokku
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