カンで掴んだ者と、カンに泣いた者 ── 【麻雀最強戦2025 ザ・リベンジ】観戦記【A卓】文:生沼紗織

そして、朝倉の7巡目のツモは、とても使えそうにない不要な【7マン】だった。

朝倉から本田への、痛恨の1000点放銃で、麻雀最強戦2025ザ・リベンジ 予選A卓の勝者は、本田朋広プロと山脇千文美プロとなった。

このヤミテンがどこから出るかは、まさに運次第だ。しかし、1000点で変わる点差であったことが、勝敗を分けた。

この点差は、南3局、山脇が大明槓して作り出した点差だ。
大明槓しなかった場合は、そもそもツモ順が変わるという点は置いておいても、1300-2600のツモアガリとなり、朝倉との点差は1500点。朝倉は1000点放銃しても通過だった。

最後まで、逆転の可能性の最大化にかけた山脇の選択が、見事に実を結んだ結果となったのだ。

麻雀の実力は一回の勝負では推し量れない、とはよく言われた話だ。

しかし、それでも麻雀最強戦は、一回の勝利を重視する。

それは、数千戦を経て培った雀力だけではなく、その瞬間の運を味方につけた者こそが勝者である、という哲学があるからだ。

それは、ある種の救いでもある。
今回負けたとしても、いつか運が味方をすれば、勝者に転じることができる可能性があるからだ。

誰にでも。

チャンスの神様の髪を、前も後ろも掴めなかったとしても、リベンジをする機会は全員に与えられている。

卓に座り続ける限り、ツモ番は来るのだから。

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