なんなん未遂
【A卓】担当記者:越野智紀 2023年5月28日(日)
勝った相手に敬意を払うといった意味もあるためか、負けた人が「ツイてなかった」と言いづらい空気が一部に存在しています。
例えこの世の終わりくらいツイてなくても自分からはツイてないと言わず、見た人の判断に全てを委ねるのが潔しとされていたのですが
そんな時代に風穴が開きました。
「ツイてない」を「なんなん?」という言葉に置き換え、ツライ展開でも明るく振る舞い笑いに変える。
そこに潔いという美しさを越える面白さが生まれたのです。
これまで手がつけづらかった鉱脈を掘り出すことに成功した園田選手は、勝ち試合は鮮やかに負け試合は面白くという無敵のシステムを確立。
この日の試合は麻雀最強戦2023Mリーグスペシャルマッチとあって、Mリーグ2022-2023シーズンで活躍した選手が勢ぞろい。
園田選手に上質の「なんなん」を言わせる環境は正に整っていました。
東1局
世界で一番良さそうなリャンメン部分を仕掛けて場を凍りつかせた松ヶ瀬選手。
派手な捨て牌も合わせると、よりもが欲しい人の仕掛けに見えます。
その仕掛けに伊達選手も被せてくると
ここで名探偵が登場。
「松ヶ瀬さんのチーは怖すぎるし、それは共通見解のはず。そこに向かってを仕掛けてる伊達さんも押してる園田さんも全員危険ですね」
と、安全牌のとを温存して園田選手が来る前にを処理していきます。
正確な状況判断で受けに回り
数巡後、タンヤオピンフ高め三色のテンパイが入った園田選手から追いかけリーチが入るも
先に相手の攻撃に備えていた瑞原選手は、安全にテンパイを目指しながら流局まで受け切ることが出来ました。
続いて東1局1本場
今度は園田選手の仕掛けに
松ヶ瀬選手が対応。
早めの場況判断からペンターツを嫌うと
そこからは浮かせていた牌に吸い寄せられるように次々と重なっていき
チートイツとは思えない河でのリーチ。
二対子の段階から残していたを一発でツモって4,100オールのアガリを決めました。
開局から幸先の良いスタートを切っていた松ヶ瀬選手が不幸に見舞われたのが直後の東1局2本場
好配牌の入った瑞原選手がホンイツに見えないようにしたり、とを仕掛けやすくするためにを先に切ったりと工夫を見せていましたが
そんな工夫を吹き飛ばす嬉しい誤算な自力テンパイ。
の捨て牌でホンイツドラ2、高めのをツモれば倍満という大物手が完成します。
既にが捕まっていた松ヶ瀬選手がも掴んでしまい、交通事故のようなハネマンの放銃。
前局に稼いだ点棒をそのまま瑞原選手に献上する形となってしまいました。
1回勝負で2着までに入ればこのステージの決勝卓に残れるシステムで、瑞原選手のリードで迎えた東4局2本場
早い・安い・待ち悪いの役無しカンテンパイが入った園田選手は待ちの良さというもう一つ武器を求めてダマテンを選択。
そこからツモでテンパイ外し。
どうせ場況の悪いカンのままでは戦えないと、を切っていた状況にも関わらずマンズの変化はと引きだけに絞った大胆な選択です。
引き→のリャンメンリーチ
引き→先にを切っているカンリーチ
引き→フリテンのリーチ
引き→良さげな待ちでリーチ
他家からリーチ→残して良かった安全牌