女流最強を決めるなら
私の存在を忘れるな
──逢川恵夢の戦──
【B卓】担当記者:坪川義昭 2024年8月25日(日)
B卓戦
東家:日向藍子(最高位戦日本プロ麻雀協会)
南家:東城りお(日本プロ麻雀連盟)
西家:茅森早香(最高位戦日本プロ麻雀協会)
北家:逢川恵夢(日本プロ麻雀協会)
未だ日本プロ麻雀協会から女流Mリーガーは誕生していない。
その壁を破る為に、この麻雀最強戦の舞台に舞い降りたのが現女流雀王の『牙王・逢川恵夢』である。
第17.18.20.22期の女流雀王であり、四度の戴冠は歴代最多である。更に7年連続決定戦進出を決めており、これも協会新記録である。
実績は団体内で他の追随を許さないほど圧倒的であるが、その麻雀能力も頭ひとつ、いや二つも三つも抜けているのだ。
これでも声がかからないのであれば、更にその上。最強位の座を手に入れ、麻雀界の頂きに立とう。逢川恵夢の戦が始まった。
東1局
開局早々にポンの声。
逢川恵夢である。5200のテンパイを入れたところで他家のテンションも上がり始めた。
親の日向藍子はピンフ、ドラ2の完全イーシャンテンで全軍突撃の構えである。
ここにヤミテンを入れたのが茅森早香だ。
安目は1000点だが、高目であれば8000点。
ここまで仕上がったならば是が非にでも高目でアガリたちところだが、は既に逢川恵夢にポンされており見逃しの判断が難しいところではある。
東城りおから放たれたに少し躊躇しながらも手牌を倒した。
打点こそ不満ではあるものの、見えないところで2人の勝負手を潰した価値は高い。
東3局
テンポ良く配牌から逢川恵夢はを放った。
マンズのターツに未練など一切ない。
2着までが勝ち上がりのルールとはいえ、普段とやることは変わらない。
打点が見える手はしっかりと勝負手に仕上げ、後半戦を優位に進める。
テンパイまでのスピードを争うわけではなく、最終的に点棒を持っていた者が勝者なのだ。
親番の茅森早香がペンチャンターツを払うタイミングが絶好であった。
とを連続で仕掛けて7巡目にはチンイツのテンパイが入る。
字牌の切り順がの後に、2枚切れのということもあり、手牌は十分形と察知はされるものの、このタイミングならば出アガリの可能性も高い。
待てど暮らせどアガリ牌は顔を出さなく、14巡目に日向藍子の手が止まる。
タンヤオ、チートイツのテンパイだ。
ドラの単騎に受けたいところではあるが、の危険度はなかなかなもの。
しかし、逢川恵夢が仕掛けのレンジが広いという認識と打以降一切の手替わりがないことでイーシャンテンの可能性もあるならば。
意を決してリーチ宣言したにかかったのはロンの声であった。
8000点。
逢川恵夢女流雀王が頭一つ抜け出した。
東4局