頼れる男の大きな背中〜鈴木大介、大荒れの展開を制す【Mリーグ2026-27 観戦記 10/9 第1試合(麻雀ch)】担当記者 千嶋辰治

宣言牌をまたぐ【8マン】は危険牌の一つとなるはずなのだが… もしも【4マン】切りと【7マン】切りを迷ったのだとすれば、【8マン】が当たるケースは?

瑞原は静かに【8マン】をツモ切った。
自身がドラトイツのチャンスということもあっていずれにせよ押したのだろうが、僅かな違和感がさらに背中を押す材料になったか?
次巡、【7マン】をツモってテンパイ。打点が欲しい瑞原は、

大介の河にある【1ソウ】には目もくれずに追っかけリーチ。

大介が【4ソウ】で一発放銃!
リーチ一発ピンフドラ2裏の18,000点を討ち取って瑞原が3番手に浮上した。

「もう絶望でしたね」
厳しい一撃を喰らった場面をその一言で振り返った大介。
しかし、言葉とは裏腹に心の中で微かに燻る希望の火を、大介は再び「業火」へと育てていく。

まずは手痛いしっぺ返しを喰らった瑞原へ、リーチドラ赤ウラの8,000点をお見舞い。
次は自身の親番を2,900で1局繋いだ南2局1本場、ドラは【9ソウ】。

前日の2連勝の興奮冷めやらぬうちに「奇襲の3連闘」を買って出た内川、ドラを暗刻にして先制リーチを放つも待ちの【4ソウ】【7ソウ】はわずか1巡で山から売り切れ。
そのため終盤まで時間ができた大介は、

イーペーコーが完成してテンパイ。
【8ソウ】は3枚見えており、どうせならとドラ単騎に受けると内川へ【7ソウ】を打ち上げてしまうが、ここはワンチャンスの【1ソウ】をそっと切ってヤミテン。
すると次巡、

こともなげにラス牌の【8ソウ】を手繰り寄せる大介。
ツモイーペーコードラ赤の4,000オールをアガると、極め付きは次局の南2局2本場、ドラは【4ソウ】。

5巡目、内川が愚形ながら淀みない手つきで再び先制リーチ。
トップ目に立った大介は2番手の松本とも点差が近く、ここは難しい立ち回りを強いられるが、

既にタンヤオドラ2のイーシャンテン。
もはや迷いなしの面持ちでスッと無筋の【9ピン】を河に放つ。
そして、大介は選択の時。

内川の河に切られている【5マン】を頼ってスジの【2マン】を切らず、歯を食いしばってワンチャンスの【2ソウ】を先に切った。
対局後、この一打が良かったと語った大介は、

タンヤオドラ2で7,700点ある手をヤミテンにせず、ノータイムでリーチ!
そして、

驚愕の一発ツモ!
リーチ一発ツモタンヤオドラ2の6,000オールに仕上げてダントツへ突き抜けて勝負あり。

最終的には63,700点まで駆け上がり83.7ポイントをチームへ持ち帰った。

壮絶な打撃戦が繰り広げられ、久々に「らしい」トップを飾った大介。
今日の戦いを眺めていて、私はこの映像が特に心に残った。

なんとも頼もしい大きな背中。
開幕からチームのマイナスの大部分を背負ってしまった大介だったが、彼にはこういう一撃の魅力がある。
その大きな背中でチームの期待、ファンの期待を背負い、ブルドーザーのように局面を切り拓く。
完全にエンジンがかかった大介はここからどれだけのプラスポイントを叩き出すのか。
楽しみを通り越して恐ろしさすら感じる。

いや、やっぱり恐ろしさよりも、

なぜか可愛らしさを感じてしまうのは私だけ?

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