リーチ後の表情からも緊張感が伝わってくる。
をツモった瞬間、涙が止まらなくなってしまったのは私だけではあるまい。
裏も乗って4000オール。値千金の4000オール。
湧き上がるサポーター。
しかし、まだトップには届かない。次局、再び下家の滝沢が仕掛ける。朝倉はなかなかテンパイが入らない。このままではPiratesが負けてしまう。
残りツモはあと1回を残すのみ。ここで選択。
泣きそうな顔じゃないか…
悲痛な面持ちで切ったのは…
だった。下家の河に注目するとの出が早く、をトイツで持っている可能性は低いだろう。逆にソウズの上は切られていない。が薄いことに加えて、ポンしやすいように3トイツを維持しつつ、滝沢に出来るだけ鳴かれないようにするのは打しかない。
朝倉最後のツモは、
だった。瀬戸際でのテンパイ。
朝倉の打牌は、深い思考と読みに基づいた、論理的な打牌だと思う。なのに、なぜこんなにも人を感動させるのだろう。考え抜かれた朝倉の珠玉の一打は見る者の心を本当に強く揺さぶる。
この局は一人テンパイで流局。この後、追加点をあげることは出来なかったが、朝倉はトップをとり切った。
勝利者インタビューで、朝倉は真っすぐにカメラを見つめていた。
朝倉がシーズン中に見せてくれた、超精緻で魅力あふれる打牌と勝利への気持ちが強くにじみ出た表情は、Mリーグファンの心に強く刻み込まれたに違いない。
追記
監督からこのような言葉をかけてもらえるのは、Mリーガーとして、麻雀プロとして、そして麻雀打ちとして、実に幸せなことだと感じます。家族として、兄として、本当に誇りに思います。
相変わらず会ったら麻雀の話ばかりだけれど、これからも応援してるから、身体に気を付けて頑張ってな。
(C)AbemaTV
京大法学部卒の元塾講師。オンライン麻雀「天鳳」では全国ランキング1位。「雀魂」では4人打ち最高位の魂天に到達。最近は、YouTubeでの麻雀講義や実況プレイ、戦術note執筆、そして牌譜添削指導に力を入れている、麻雀界では知る人ぞ知る異才。「実戦でよく出る!読むだけで勝てる麻雀講義」の著者であり、元Mリーガー朝倉康心プロの実兄。x:@getawonarashite