そして、狙い通りのを引いて打。
が鳴けた!
これで打としてテンパイ。を残したために条件を満たしたテンパイが最速で組めた。
だが、
黒沢の親リーチがかかる。
そして、
トップ目の多井にもテンパイが入っていた。
三人が一歩も引かない壮絶なめくり合いが繰り広げられた。それぞれのチームのファンが、固唾をのんで勝負の行方を見つめていたに違いない。
結果は、
「ロン」
朝倉のアガリ!乾坤一擲のトップだ。
会心の内容に、インタビューでは笑みも零れた。
しかし、Piratesはこの後厳しい展開が続き、
リーグ戦最終日をこのような状況で迎えることとなる。
1戦目の先発は、朝倉。
戦いに臨む心持ちが決まったような、そんなスッキリとした表情で朝倉は卓へと向かっていった。
目標は、45500点以上のトップをとって2戦目の小林につなげること。
2019年2月12日(火)1戦目
しかし、あとがない状況で親番を迎える。しかも下家の滝沢が既に2副露。絶体絶命のピンチだ。
そんな中、
8巡目、朝倉にテンパイが入る。
大舞台での勝負所でも、朝倉は実に冷静だった。
少しの間、河を見つめて、
打としてテンパイを外した。場に良さそうなカンのテンパイを、ここ一番で外せるのは朝倉しかいないだろう。
滝沢以外の二人はオリているので、ここは自力でツモれる待ちに組み替えるのが狙いだ。裏目の引きでも高目一通の3面張リーチ。もも良さそうで、さらにチャンタ模様の滝沢にを切りたくない。
思考はそうだ。しかし、ここでテンパイを外すには人並外れた胆力が必要だ。
次巡、
を引いて打。を捕らえに行く。
先にアタマが出来てツモ+一発か裏の6000オールなら一気にトップまで突き抜ける。
次に引いたのは、またもや悩ましいだった。
朝倉は読みに入った。
難解な部分もじっくりと考えた。
そして心を決めて、
もう一度だけ、自分の選択に全てを賭けられるか、確かめてから、
を切った。一打に賭けた思いを、こんなにもひしひしと感じたことは初めてだ。
その思いの大きさに牌が応えた。を引き入れて、リーチ。