かなり緊張しているように見えたが、涙を堪えるのに必死だったと後に本人は語ってくれた。
そんな岡田の対局だが、内川に続き、なかなか見せ場のない展開だった。
園田のマジックに翻弄されたり、
前原の豪腕フリテンリーチに親被りしたり
勝又の隙のない攻撃を受けたりして、劣勢に回ってしまった。
難しかったのはここだ。
親番で先手のテンパイが入った場面。
すぐにリーチにいくか、を切ってタンピン三色を目指すかの場面だが、岡田は
軽く息を吸い込み、
打のリーチせずを選択した。
たしかにこのままでも(ドラ)や
といったツモで打点が上昇する。ただ手替わりの枚数とリターンを考えるとやや微妙な選択に感じた。
これが隙になってしまった。
前原が
この手牌で打。岡田が即リーチにいっていたら
を切っていたであろう。
すぐに岡田は
をツモってきて、たまらず空切りリーチ。
(ここはツモ切りリーチで愚形を匂わせる手もあったが、のトイツ落としを見せて十分形に見せる選択も有力で、難しい)
一手進めてしまった前原のテンパイが
間に合ってしまい、追っかけリーチ。めくり合いになってしまった。
結果的にはツモって事なきを得たが、隙を見せる格好となった。
岡田のデビュー戦は3着。
上昇志向とプロ意識の塊のような岡田は、監督の期待通りこのMリーグで大きな成長を遂げるであろう。
PM21:50 終戦
サクラナイツとしては、やや消化不良感の残るデビューとなってしまったが、まだ始まったばかり。最初に言ったとおり90戦で6位に入れば優勝の可能性も十分残る。
エース内川がポイントを稼ぎ、沢崎が麻雀面でも精神面でも支え、その下で岡田が急速に成長する。この日、高宮が素晴らしい進化を見せたように、岡田もMリーグでの経験を経て、確実に成長していくに違いない。
ファイナルが終わる頃には、桜の開花情報も流れてくるだろう。
3人のナイトたちは満開のサクラを咲かせることができるだろうか。
挨拶をして、まだ開幕戦の余韻の残る控室をあとにしたのであった。
麻雀ブロガー。フリー雀荘メンバー、麻雀プロを経て、ネット麻雀天鳳の人気プレーヤーに。著書に「ゼロ秒思考の麻雀」。現在「近代麻雀」で戦術特集記事を連載中。note「ZEROが麻雀人生をかけて取り組む定期マガジン」、YouTubeチャンネル「ZERO麻雀ch」