ただ、一気に2副露して警戒させれば他家へのプレッシャーが生まれ、相手の進行を止めることにもつながる。そしてを重ねればのリャンメン待ちになり、リャンメンが先に埋まれば自身の目から3枚見えで景色のいい単騎を選べる。
ここは、白鳥の選択がうまくはまった。次巡の引きで、あっさりと単騎のテンパイを入れる。道中でを引いたときには手の中から切り、相手の読みをずらす試みも忘れない。
オリられない小林も形式テンパイで粘ろうとするが・・・
引いたをツモ切って放銃!白鳥が小林を再逆転し、相性の良い木曜日で4度目のトップを獲得。自身のポイントをリーグ3位タイの219.2まで伸ばした。
なお、筆者はこの日、取材で渋谷ABEMAS控え室へとお邪魔していた。帰ってきた白鳥は笑顔で勝利を喜びつつ、すぐに仲間たちと、局面の選択について振り返りを行う。
負けたときはもちろん、勝ったときであっても自身の判断について考察し、次回へと生かす。特に麻雀は、正着と思われる一打を打ったことが裏目になったり、間違えたと思った選択が「結果的に」うまくいったりすることが往々にしてあるゲームだ。だからこそ、目の前の結果は結果として受け止めつつ、その過程も大切にする。
もちろん、こうしたミーティングは全チームが行っているだろう。チームだからこそ、お互いが忌憚のない意見を言い合い、各自の麻雀をブラッシュアップしていくことで、Mリーグの麻雀はさらに上質なものに仕上がっていくだろう。
これから年末に差し掛かるにつれ、麻雀をする機会が増える方も多いかと思う。そんなときはぜひ、卓につく前にMリーグの対局を見て、自身のイメージを仕上げてみてはいかがだろうか。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。