もしも麻雀に
「流れ」というものが
あるならば───
二階堂亜樹が魅せた
オーラスの大逆転劇
文・徳岡明信【月曜担当ライター】2023年11月13日
気づけば今年も残り約一か月半となり、本格的な寒さも感じるようになった今日この頃。
しかしMリーグでは気候に反比例するかのごとく熱狂高まる試合が続いている。
本日も熱戦必至の顔ぶれが集まった第一試合。
東家:醍醐大 (セガサミーフェニックス)
南家:佐々木寿人 (KONAMI麻雀格闘俱楽部)
西家:鈴木大介 (BEASTJapanext)
北家:二階堂亜樹 (EX風林火山)
初年度から参戦の寿人、亜樹に今シーズンから参戦している醍醐、大介という構図となった。
筆者が個人的に注目したのがこの選手。
前回の登板で今シーズン初トップを獲得、そして明後日は自身のバースデーの亜樹。
勢いそのままに連勝となるか、そして自身の誕生日にトップというプレゼントを添える事が出来るか。
対する醍醐、寿人、大介と、Mリーガーの中でもタイプは違えどアガリへの嗅覚が鋭い3人が集まった。
この3人の攻めに守備型の亜樹がどう対応していくのかもこの試合の見どころとなる。
群雄割拠、混沌とした争いを制するのはどの選手か。
最初に場が大きく動いたのは東2局1本場であった。
先手を取ったのは醍醐だ。
待ち、高めのでタンヤオもイーペーコーも付く。
天と地の差があるこの手、もちろん手繰り寄せたいのは天の方。
終盤で亜樹も待ちのタンヤオピンフで追いつく。
が、しかしここは追っかけリーチとはいかず。
残り1回のツモ番とリャンメンとはいえ場に高すぎるピンズ待ちではリーチ棒を出す価値が低いとの判断か。
更には親の寿人の手牌。
役無しの単騎から2人のアガリ牌のを吸収してカンの三色に待ち変えだ。
終盤に雪崩れる様に3人にテンパイが入る。
最後のを亜樹が掴んで、最後方から追いついた寿人のアガリとなった。
12300+供託3本の加点でまずは序盤の混戦を一歩抜け出す!
このテンパイに辿り着く道中、試合後のインタビューで寿人でもどうしたらいいかよくわからなかったと語っていた。
カンとのイーシャンテンの所にを引き入れてヘッドレスだが受け入れの広い形となった寿人の手牌。
ツモでここは頭の作り易さを優先するカン払いに出た。
一向に頭の出来ないままマンズ伸びてフリテン含みのイーシャンテンとなる。
終盤に差し掛かった事もあり、ここはやのチーテンで親番維持も出来るようにと構えた。
寄れたツモの連続に寿人の表情も心なしか「参ったなぁ」という感じを漂わせる。
結局頭の出来ないままマンズが伸びて結局ヘッドレスのままテンパイまで辿り着いた。
この時には醍醐のリーチも既に入っており、まさかアガリまでは想定していなかっただろう。
難しい手牌を見事にアガリ切った寿人の表情は心なしか「よかったぁ~」という表情を漂わせる。
寿人がリードを保ったまま場は進んで南2局。
ここから親番寿人お得意の時間が始まる。
まずは挨拶がてらの2600オールから始まり、
続く南2局1本場
6巡目に電光石火のカンリーチが飛んで来る。