もしも麻雀に「流れ」というものがあるならば───二階堂亜樹が魅せたオーラスの大逆転劇【Mリーグ2023-24観戦記 11/13】担当記者 #徳岡明信

これに捕まったのが大介だった。
ピンズのリャンメンターツ払いの最中であった。
宣言牌が【6ピン】とはいえ、この牌姿で【3ピン】が止まるはずも無く…

7700は8000点のアガリ。
寿人は50000点を超えて、逆に大介は箱下に突き落とされた。

更に寿人の勢いは止まらない。

南2局2本場も2000は2200オールを加点する。
これで持ち点は60000点越え、親番を最大限に生かし一気に突き抜けた!

これで焦点は2着争いとなるか。
南3局4本場、1人離されている大介が意地を見せる。

大介のターツ選択の場面がやってきた。
前巡に【1ピン】【2ピン】【3ピン】【3ピン】【4ピン】から【3ピン】を外した所に持ってきたのは裏目の【赤5ピン】
とは言え、イッツー含みの3メンチャンの受け入れは捨てがたい。

頬に手を当ててここは慎重に考える。

大介が出した答えは【5ソウ】【6ソウ】払いであった。
ここは場況重視の選択を取った。
場にはソーズよりもピンズの方が多く切られており、亜樹と醍醐が序盤から【1ピン】【2ピン】と落としている。
したがってピンズの方が山に残っている可能性が高いと踏んだ。

マンズのリャンメンから埋まりフリテンとはなったがそんな事はお構い無し。
後は自分の読みを信じてツモ山に手を伸ばすだけだ。

「ほらやっぱりな!」と言わんばかりの力強い一発ツモ!
これぞ大介と言った6000は6400オールをアガって一気に2着争いに加わってきた。

続く南3局5本場、この男も黙ってはいない。

醍醐が渾身のチートイツでリーチを打つ。
ピンズの上が安く自身で【5ピン】も先切りしている為かなり自信のある待ちであっただろう。

同巡、親の大介もチートイツのテンパイから即リーチ。
タンヤオに赤赤で跳満からの大物手だ。

「俺が先に張ってんだよ!」と言わんばかりの寿人も真っ向勝負。
2軒リーチにノータイムでサッとドラを切れる人なんて世の中そうそういないだろう。

自分で決めれそうな所はなるべく自分で決めにいく。
寿人の信念貫く魂のドラ切りに震えが走った。
表情も心なしか「ドヤッ」って感じを漂わせる。

漢達の真っ向からのぶつかり合い、制したのは、

醍醐だ!
渾身の【8ピン】待ちをしっかり引き当て1600/3200は2100/3700の供託2本の大きな大きなアガリをものにした。
このアガリで混戦の2着争いを一歩リードする。

個人成績とチーム状況の両方を踏まえると一番勝ちたい気持ちが強いのは醍醐であろう。
しかし醍醐は決して焦らない。
淡々と今自分に出来る事を積み重ねてその時を待つ。
そのどっしりとした構えが醍醐の一番の強みだと感じている。

激しい争いもいよいよオーラスの時を迎える。南4局1本場

「最初に注目しといて、すっかり私の事忘れてない???」

すいません、すっかり忘れておりました…

ただ1人親番が残っている亜樹、2600は2700オールでまずは醍醐から2着の座を奪う。

この局の亜樹の選択は非常に面白かった。

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