【 #神域リーグ2023 第7節第21試合観戦記】鈴木勝は確かに進んでいる さあ、声高々に叫ぼう 今日も元気に――【文 #後藤哲冶 】

一歩ずつ、
鈴木勝は確かに進んでいる
さあ、声高々に叫ぼう
今日も元気に――

アトラスの鈴木勝は、第1節でのトップ以降、なかなかトップを取れずにいた。

前節の第16試合では、最後の最後に追いすがるも、テンパイを組むことができず、無念のラス。
個人ポイントはまだプラスではあるものの、チームの状況を考えれば決して楽観視はできない。

ラスになってしまった後、勝はしっかりと牌譜検討を行っていた。
師である千羽黒乃と共に、良かった所はしっかりと認識し、悪かった所を反省する。

当たり前のことではあるが、麻雀はそうして勉強と実践を繰り返すことこそが、上達への一番の近道なのだ。

師匠から激励の言葉ももらって、勝が第21試合に臨む。
チームはまだマイナス域。これから終盤戦。
アトラスのためにも、ここはトップが欲しい所だ。

第21試合
東家 朝陽にいな (チームグラディウス)
南家 或世イヌ  (チームアキレス)
西家 鈴木たろう (チームゼウス)
北家 鈴木勝   (チームアトラス)

この試合も先制したのは、直前の試合でトップを取って勢いに乗る朝陽だった。

東1局
イーシャンテンから【1ピン】を引き入れて選択。
テンパイの枚数が多いのは【6ピン】切りだが。

ここは【1ピン】をツモ切り。
【6ピン】を切ってしまうと【6ソウ】【9ソウ】【6マン】【9マン】を引いた時に単騎テンパイになってしまい、嬉しくない上に、【1ピン】を切っておけばタンヤオもうっすら見える。
ここは【1ピン】【2ピン】とまとめて落として、リャンメン2つのイーシャンテンをキープ。

見事【6ソウ】を引き入れてのテンパイ。
【6マン】【9マン】の先制リーチ。ドラ2枚を使って12000からの高打点。

これを或世から捉えた。
幸先の良い12000点のアガリでこの試合も朝陽がリードすることに成功。

東1局1本場

勝が上家から出た【5マン】をチー。
くっつきのイーシャンテンではあるが、マンズが場に高い。
であれば、ドラを使い切っての2000点テンパイで妥協。

これを、親番でトップ目の朝陽から直撃に成功。
勢いに乗る朝陽の親番を蹴ることができた。

「さっきあれだけメイカちゃんから持っていったんだ……返してもらうよ」

第20試合で惜しくもラスになってしまった歌衣の分まで。
アトラスの勝が、チームのためにアガリへ向かう。

しかし朝陽も負けていない。
勝から出た【6マン】をチー。【4マン】【5マン】を使って鳴けば一気通貫が見えるが、ここは形優先で【5マン】【7マン】でのチー。
必要なのは打点ではなく早さ。トップ目に立った朝陽の牙城を崩すのは、容易ではない。

これを、同じくテンパイを入れていた勝から討ち取り。
2000点のアガリを入れると。

続く東4局も仕掛けを入れてすぐさま軽いアガリ。
安全度の高い牌を残して、先にアガリ切る理想的な立ち回りで勝の親番をすぐさま終わらせた。

早い展開で、第21試合は南場へと突入する。

ここまでなかなかアガリが出ない或世。たろうから出た【8ピン】をポンすれば、チンイツ赤の12000点のイーシャンテンだが。

  • この記事が気に入ったら
    フォローをお願いいたします!
    最新の麻雀・Mリーグ情報をお届けします!

  • \近代麻雀戦術シリーズ 新刊情報/