8巡目、ファーストテンパイのカンをダマテンに構える。
役はあるのでアガる事は出来るが、ビハインドを背負ったラス親でこの手を即リーチといく人の方が多そうだが、亜樹は一貫してダマテンを貫いた。
理由としては、亜樹の河にある。
亜樹の河は強く、ヒントがあまりにも少ない。
親リーチとは言え、ヒントが少ないが故に押される可能性も高い。
ましてやトップ目は2軒リーチにドラをぶった切って交わしにかかる寿人だ。
寿人の事をよく知った上でのダマテンの選択なのだ。
を引き入れに待ちが変化した。
多面張ならばめくり合いになっても分は良いと踏んでここでリーチといった。
そして見事にツモアガリに結びつけた。
即リーチにいっている人なら捕らえられていないアガリだ。
ここは亜樹の思考が見事にハマった1局となった。
こうなると流れは亜樹に向いたか。
続く南4局2本場、2600は2700オールを加点し寿人まで捕らえるかという状況にまでやってきた。
美しい横顔が彼女のキャッチフレーズ「卓上の舞姫」を連想させる。
この瞬間のスクショに成功した筆者は、自分で自分を褒めてあげたい。
もうこうなってくるとだいたい皆様も想像がつくだろう。
南4局3本場、イーペーコー完成のから引き入れて文句無しのリーチを打つ。
前巡、寿人が先に役有りのテンパイを入れている。
しかしもし本当に麻雀に「流れ」というものがあるとするなら
亜樹の勝ちなのは必然だろう。
激しいアガリ合戦の多かった全20局のロングゲーム。
最後の最後に現れ、点棒も見せ場も全部持って行ってしまう。
これぞ「卓上の舞姫」
オーラスだけで約30000点差あった寿人をまくって個人連勝を決めた亜樹。
最高に気持ち良く明後日の誕生日を迎えられることであろう。
チームポイントも100p近くに迫り、復調の兆しが見えてきた。
まだまだ序盤の鬱憤は晴らせていないぞ。
更に加速するEX風林火山の侵略に注目だ!
最高位戦日本プロ麻雀協会46期前期。九州在住のプロ雀士。
麻雀と愛猫(ピンフ)を愛してやまない。嫁の小言にはベタオリ気味。
著書:最高位戦コラムFACES
Twitter:@aktk0207