熱論!Mリーグ【Thu】
実現確率は約0.1%!
朝倉・村上・近藤・日向の
「最高位戦ドリームマッチ」
文・真中彰司【木曜担当ライター】2019年12月5日
12月5日、Mリーグ第41節。
この日の第2試合は、
このカード、実は非常に珍しい組み合わせである。
実は4人とも最高位戦日本プロ麻雀協会の選手なのだ。
これに気付いた人は立派な麻雀ファン。
麻雀格闘倶楽部・TEAM雷電・サクラナイツ・風林火山の選手は全員が日本プロ麻雀連盟所属のため、この4チームの組み合わせでしか、最高位戦同士の対決は生まれない。
単純計算すると、その確率は約0.1%!
まさに最高位戦ドリームマッチとも呼べる対局は、村上の元気な声で幕を開けた。
両面と3面張のイーシャンテンから、ドラのを重ねて…
「リッチ!!」
普段は混沌としているコメント欄も、この瞬間は一致団結する。
そう、リッチは世界を救う平和の呪文なのだ。
2巡後にツモアガリを決めると、裏ドラはまたしても!
村上が3000-6000のスタートダッシュを成功させた。
続く東2局の親番も、勢いに乗って元気良くリーチ。
このまま独走態勢か?
しかしそこに待ったをかけたのは、前節で初トップを取った朝倉。
今日も引き続きメガネをかけての登板となった。
村上の親リーチを受けた直後に朝倉もテンパイ。
無筋のを勝負してリーチに行く人が多いだろう。
しかし、朝倉の選択は打。三色確定の単騎に取った。
が3枚見えで、比較的当たりにくい牌だ。
ドラがであるにも関わらず、対面の近藤が第1打にを打っている。
さらに村上も9巡目にをツモ切っている。
この僅かな情報からが山に残っていると読み、単騎待ちを選択した。
この局は流局に終わったが、テンパイ料はキッチリ獲得。
村上も「そうか…(テンパイされたか…)」と思わず心の声を漏らした。
それでも村上の勢いは止まらない。3局連続のリーチで攻め立てる。
さらにこの局は日向も参戦。高い声でこちらも「りっち!!」
朝倉は村上の当たり牌であるが浮いている形。
良形だらけの満貫イーシャンテン。勝負したくなるような手だが…
ここは冷静にを抜いて撤退。
心なしか、朝倉の打牌に余裕が出てきたように感じる。
初トップを取る前の精神状態だったら、勝負していたかもしれない。
己の読みを信じ、常にその状況下における損得のみで選択を下す。
「トップ無し」という外的要因が外れたことで、昨シーズン個人4位にまで登り詰めた、本来の朝倉が戻ってきたようだ。
村上のターンが終わり、今度は朝倉のターン。
これまでの9戦分の苦労が嘘のように手牌が軽い。
迷うことなく綺麗なメンタンピンのアガリを決めて4000オール。