『打ち込み』と『伏せ』 堀慎吾の妙手が冴え渡る日【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 12/1 第1試合】担当記者 後藤哲冶

『打ち込み』と『伏せ』
堀慎吾の妙手が冴え渡る日

文・後藤哲冶【月曜担当ライター】2025年12月1日

KADOKAWAサクラナイツの現状は芳しいものではない。

10月終わりのポイント状況が上記画像だ。
好調とは言えないものの、マイナスは30pt程度で、中位に控えている位置だったのが。
11月を終えると。

ここまで落ち込んでしまっている。
ようやく岡田に嬉しい1勝は舞い込んだもののまだポイントはマイナスしており、新人選手の阿久津、エース堀が共に苦しい状況。

なんとか渋川がプラスポイントで踏ん張ってはいるものの、ついに順位は最下位にまで落ち込んでしまった。

そんな中、本日登板となったのがエース堀慎吾
ここまで直近まさかの3戦連続4着。
サクラナイツの誇る小さな天才が現状を打開することはできるか。

第1試合

東家:黒沢咲TEAM RAIDEN / 雷電)
南家:竹内元太セガサミーフェニックス
西家:日向藍子渋谷ABEMAS
北家:堀慎吾KADOKAWAサクラナイツ

 

東1局1本場

まずはセガサミーフェニックス竹内の選択が面白い。
前巡【7ピン】を引いたところでドラの【8ピン】を打ち、そしてここで【8ソウ】を引いてリャンメンになったところで【赤5ソウ】切り。

ドラの切り離し時が早いことで有名な竹内。
受け入れに寄与しない形であれば、安全度を考慮して躊躇なく切っていく。

日向の【6ソウ】暗槓が入った後。

竹内が【9ソウ】を引き入れてリーチ。
今回は【9ソウ】が埋まった形だが、これで【赤5ソウ】切りリーチだとどうしても【6ソウ】【9ソウ】待ちは読み筋に入る分、こうした先切りは有効だ。

この【6マン】【9マン】を見事ツモって裏1。
3000、6000の先制パンチで、第1試合は竹内がリードする展開に。

 

東2局

堀が【5ピン】を引いて七対子イーシャンテンにたどり着いた。
が、ここでは【2ソウ】切り。
【1ソウ】を1打目に切っている日向がいる分、【2ソウ】は少し悪くないように見えるが、それよりもメンツ手も一応保留できることと、河を派手にしないようにすることを意識。
こうしておくことで。

早い巡目にリーチが打てた時に、河が通常のメンツ手をやっているように見えるというメリットがある。
そのメリットがあるからこそ。

【2ソウ】を2打目に切ってある【1ソウ】単騎が他家からアガりやすい。
鉄壁の守備力を誇る竹内であっても、【2ソウ】【6ソウ】の切り順であるからこそ、イーシャンテンからこの【1ソウ】は止められない。
トップ目竹内から3200のアガリ。

もし、堀の河が少しでも七対子の可能性を上げる要素があったら、この【1ソウ】が出ていたかは分からない。
なんてことのないアガリに見えるが、1巡1巡の選択に細かい技術が光っている。

 

東3局

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