熱狂の幕が上がる
新Mリーガー鈴木優
苦難を乗り越え
初勝利を掴むことはできるか?
文・江嵜晋之介【月曜担当ライター】2022年10月日
幾つものドラマ、幾つもの名シーンを生み出してきたMリーグは、毎年ここからスタートする。
熾烈なファイナルを制し、KADOKAWAサクラナイツが優勝してから早くも5ヶ月が経過した。
最近ではオフシーズンにも様々なコンテンツが用意されているので、麻雀ファンとしては退屈することはないだろう。
ただ、やはり毎年この瞬間、自分がどれだけ「Mリーグがある日常」を強く望んでいたかを思い知らされる。
返還される優勝シャーレ。
Twitterでは「Mリーグ」が日本のトレンド1位に輝いていた。
全国の麻雀ファンが待ち望んでいた日。
1牌の後先に熱狂する日々が、再び始まった。
第1試合
東家:萩原聖人(TEAM雷電)
南家:魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
西家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:鈴木優(U-NEXT Pirates)
今年のポイントは、やはり新Mリーガー3人だろう。タイトルホルダーとして鳴り物入りで入団した3名がどのような活躍を見せるのか注目が集まっている。
東1局
試合が動いたのは7巡目。
南家、魚谷のリーチ。
ドラ2だが形の悪い手牌だったものの、難なく急所を引き入れテンパイまでこぎつける。待ちはペンと愚形だがノータイムでリーチをかける。
萩原・寿人が手を崩して受けに回る中、鈴木優の手がまとまる。
魚谷の現物・筋を切りイーシャンテンまでたどり着く。
そして分岐点が訪れる。
との選択。は通っていてはが3枚見えているので比較的通りそう。はノーヒントだ。
攻撃的に進めるなら良い待ちが残る落としを選択したいが、優は安全度を重視した落としを選択する。
受けは狭くなるものの、・を先に引けば一通になり、チーしてのテンパイも視野に入れることができる。
しかし引いてきたのは一番嬉しくない。
目論見通りではないものの、間を空けずペン待ちの追いかけリーチをかける。
このペンが山に0枚。対して先制リーチした魚谷の待ちは山に2枚残っていた。
数巡後、優がを掴み5,200点の放銃となる。
2023シーズンの初アガリは魚谷に軍配が上がった。
開幕式のチーム代表スピーチを任された魚谷。
今年もMリーグが開催できたことへの感謝を、丁寧な言葉で述べた後、はっきりとこう宣言した。
過去4回のシーズンで2回の準優勝を経験しているものの、まだ優勝したことがないセガサミー。
今年はこれまでと違ったシーズンにしてみせる。
その宣言には、セガサミーフェニックスの、そして魚谷個人としての確固たる決意を強く感じる。
そんな魚谷の宣言に呼応するように、魚谷に再びチャンスが訪れる。
ドラがで、かつ一通や234の三色と高打点が狙える手牌だが、ここでどれかを見切らなければいけない。
魚谷は少考の末、打を選択する。三色を見切り、一通とドラを使い切ることを重視した一手だ。
そして次巡、僥倖のを引き入れテンパイ!一通は崩れたがドラ2と一盃口が完成している。
待ちであればリーチをかけずとも満貫になるが、魚谷はノータイムで待ちのリーチを敢行。そして1発ツモ!