熱狂の幕が上がる 新Mリーガー鈴木優 苦難を乗り越え初勝利を掴むことはできるか?【Mリーグ2022-23観戦記10/3】担当記者:江嵜晋之介

熱狂の幕が上がる
新Mリーガー鈴木優
苦難を乗り越え
初勝利を掴むことはできるか?

文・江嵜晋之介【月曜担当ライター】2022年10月日

今年もこの季節がやってきた。

幾つものドラマ、幾つもの名シーンを生み出してきたMリーグは、毎年ここからスタートする。

熾烈なファイナルを制し、KADOKAWAサクラナイツが優勝してから早くも5ヶ月が経過した。
最近ではオフシーズンにも様々なコンテンツが用意されているので、麻雀ファンとしては退屈することはないだろう。
ただ、やはり毎年この瞬間、自分がどれだけ「Mリーグがある日常」を強く望んでいたかを思い知らされる。

 

返還される優勝シャーレ。
Twitterでは「Mリーグ」が日本のトレンド1位に輝いていた。

全国の麻雀ファンが待ち望んでいた日。
1牌の後先に熱狂する日々が、再び始まった。

第1試合
東家:萩原聖人(TEAM雷電)
南家:魚谷侑未(セガサミーフェニックス)
西家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家:鈴木優(U-NEXT Pirates)

今年のポイントは、やはり新Mリーガー3人だろう。タイトルホルダーとして鳴り物入りで入団した3名がどのような活躍を見せるのか注目が集まっている。

東1局
試合が動いたのは7巡目。


南家、魚谷のリーチ。
ドラ2だが形の悪い手牌だったものの、難なく急所を引き入れテンパイまでこぎつける。待ちはペン【7ピン】と愚形だがノータイムでリーチをかける。


萩原・寿人が手を崩して受けに回る中、鈴木優の手がまとまる。
魚谷の現物・筋を切りイーシャンテンまでたどり着く。


そして分岐点が訪れる。
【2マン】【3マン】【8ソウ】【9ソウ】の選択。【2マン】は通っていて【3マン】【5マン】が3枚見えているので比較的通りそう。【8ソウ】【9ソウ】はノーヒントだ。

攻撃的に進めるなら良い待ちが残る【8ソウ】【9ソウ】落としを選択したいが、優は安全度を重視した【2マン】【3マン】落としを選択する。


受けは狭くなるものの、【1ソウ】【7ソウ】を先に引けば一通になり、チーしてのテンパイも視野に入れることができる。

しかし引いてきたのは一番嬉しくない【4ソウ】
目論見通りではないものの、間を空けずペン【7ソウ】待ちの追いかけリーチをかける。


このペン【7ソウ】が山に0枚。対して先制リーチした魚谷の待ちは山に2枚残っていた。

数巡後、優が【7ピン】を掴み5,200点の放銃となる。

2023シーズンの初アガリは魚谷に軍配が上がった。

開幕式のチーム代表スピーチを任された魚谷。
今年もMリーグが開催できたことへの感謝を、丁寧な言葉で述べた後、はっきりとこう宣言した。


「準優勝はいりません」

過去4回のシーズンで2回の準優勝を経験しているものの、まだ優勝したことがないセガサミー。

今年はこれまでと違ったシーズンにしてみせる。
その宣言には、セガサミーフェニックスの、そして魚谷個人としての確固たる決意を強く感じる。

そんな魚谷の宣言に呼応するように、魚谷に再びチャンスが訪れる。


ドラが【7ピン】で、かつ一通や234の三色と高打点が狙える手牌だが、ここでどれかを見切らなければいけない。

魚谷は少考の末、打【3ピン】を選択する。三色を見切り、一通とドラを使い切ることを重視した一手だ。


そして次巡、僥倖の【2ソウ】を引き入れテンパイ!一通は崩れたがドラ2と一盃口が完成している。
【1ソウ】【4ソウ】待ちであればリーチをかけずとも満貫になるが、魚谷はノータイムで【6ソウ】【9ソウ】待ちのリーチを敢行。そして1発ツモ!

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