業師滝沢和典、ビースト討つツモ切りリーチ【Mリーグ2023-24観戦記 10/23】担当記者 #江崎しんのすけ

業師滝沢和典、
ビースト討つツモ切りリーチ

文・江崎しんのすけ【月曜担当ライター】2023年10月23日

第2試合

東家：二階堂亜樹(EX風林火山)
南家：小林剛(U-NEXT Pirates)
西家：滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家：鈴木大介(BEAST Japanext)

「ツモ、6,000オール」

東4局、この男の左腕がまたしても火を噴いた。
開幕して約2か月、何度この光景を見ただろうか。

リーチツモ平和タンヤオドラ赤2の6,000オール。
充分に高いが、高目のを1発でツモっていたらなんと三倍満の12,000オールにまでなっていた。息をするように高打点をアガる大介の一撃が炸裂した。

このアガリにより大介の持ち点は54,000点となり、大きなリードを築く。
これで大介のトップが確定かと思われたが、南場に入りこの男が猛追することになる。

滝沢だ。

前回の対戦では、トップ目だった滝沢は大介に倍満ツモを決められ悔しい2着だった。

#滝沢和典 選手、おかえりなさい！！#KONAMI麻雀格闘倶楽部#Mリーグ pic.twitter.com/BiFMpeG09Q

— KONAMI麻雀格闘倶楽部＠Mリーグ【公式】 (@mfcmleague1) October 16, 2023

 

早くも訪れたリベンジマッチに、滝沢も内心闘志を燃やしていたに違いない。

南1局

6巡目、滝沢にテンパイが入る。

役無しのカン待ち。ドラが1枚あるためリーチも当然選択肢にありそうだが

滝沢はダマテンを選択。

は小林が1枚切っているが、亜樹・大介が何枚持っているかは不明。
・・などを引いた好形変化を狙いつつ、勝負を決める本手に育てていく。腰の重い滝沢らしい選択だ。～を引けば一度テンパイを外し、打点と好形を目指す構想もあるだろう。

リーチをかけなかったもう一つの理由は他家の動向だ。

まず点数が競っている親の亜樹は2打目にを切ってから、字牌をずっとツモ切っている。あまり速度はなさそうでじっくり構えても猶予はありそう。

次に南家の小林。早々にを切っており国士模様だ。
こちらも早くなさそうなので、巡目の余裕はある。

実際にはなんとピンズのホンイツテンパイが滝沢のテンパイより先に入っていた。カンの一通でツモれば跳満の勝負手。

そしてトップ目の大介

のトイツ落としから滝沢が切ったをリャンメンでチーしている。
トップ目がバラバラから仕掛ける事が少ないのを考えると、こちらは早そうで、もしかするとテンパイしているかもしれない。

のトイツ落としなので役は恐らくタンヤオ。
ドラがなので、複数枚持っていれば高打点の可能性もあるが、参加率が高い大介の仕掛けなので、安手の可能性も充分にある。

滝沢からすると、大介がアガってくれればライバルである亜樹の親番を落とすことができるのでそこまで悪くはない。

一番最悪なのは、滝沢が即リーチをかけたことで安手でテンパイしていた大介がオリてしまい、その後押し返してきた親番亜樹との一騎打ちになる展開だ。そうなってしまうとカンでは心もとない。

大介のアガリを良しとしつつ、亜樹から押し返しを受けた際に受けて立つことができる本手を作っていく。

僅差とはいえ滝沢はラス目。
加点も嬉しいためついリーチをかけたくなってしまうが、百戦錬磨の滝沢は慌てず、状況に応じた引き出しを開ける。

ここから数巡、滝沢はツモ切りを続けることになるが、その間も他家の動向に目を光らせる。

まず大介から2つ目の仕掛けが入る。

のリャンメンチーに続きのリャンメンチーが入る。
これでほぼテンパイだろう。