低レート健全化で
フリーの雀ゴロ消滅
麻雀大会のゲストに行ったら、私の昔の戦術本「麻雀で食え!」(竹書房)にサインを頼まれました。
この本は、私が近代麻雀で20年近く連載していた記事をまとめたもので、風変りなタイトルは、当時2ピンの東風戦が流行し、麻雀で食える下地ができた時期だったからです。
このタイトルの影響かどうかは分かりませんが。「パチンコで食え!」とか「パチスロで食え!」と言った、実践的な記事も良く見かけました。
当時はパチンコでわりと簡単に食えたからで「パチンコ必勝ガイド」元編集長の末井昭さんによれば、今でも少数の実力者は食えるそうです。
ただし麻雀のほうは、2ピンや東風戦のフリーはとっくに消滅しているので、食うのは並大抵ではありません。
単行本には、当時としては珍しい私の半チャン100回分のデータが載ってますが、今では少なくとも千回くらいのデータでないと、説得力はありません。
私の最大のデータは、オンライン麻雀の数千回で、ソフト・ピンのフリーなら負けしない程度。
点5でも勝ってる人はいるので、あまり褒めれたモノではありません。
最高位戦の村上淳プロの、ソフト・ピンでの実戦記は、すでに半チャン千回を超えています。
トップ率30%以上、ラス率20%以下を維持しているのは、見事です。
「3回に1回のトップ、5回に1回のラスくらいなら、けっこう儲かるんだけどな」
昔の雀ゴロも良くこう言ってました。
ちなみに、トップ率33%の雀士を私は見たことが無いし、40%は噂でも聞いたことがありません。
ネット麻雀では、遭遇したことがありますが、その人は当時通用した違法プログラムを使っての成績で、不正現場を目撃したことがあります。
村上淳プロの場合は、プロとしてのゲスト料プラス麻雀の勝ち分が、収入ということですね。 さすがの村上プロも、独身ならともかく、フリー打ちだけで一家の生計を建てるのは、大変だと思います。
一方セット麻雀の場合は、2ピン程度の場に潜り込むことができれば、わりと簡単に勝てます。
なんと言っても、フリーに比べるとゲーム代が安いですからね。
私よりも上の世代には、バラ打ち(フリーの前身)の雀ゴロ経験者が多いのは、当時のゲーム代の安さが主な勝因。
現在の学割のセット料金並みのゲーム代だったので、おそらく連対率(トップと2着の合計)55%くらいで十分食えたんじゃないでしょうか。
ただし、そのメンツがいつまで続くかは分かりません。
私の経験では、レートが高くなるにしたがって、参加人数は急激に減ります。
ピンを基準にすると、2ピンで二乗の逆数なら4分の1ですが、実際にはもっと少ないですね。
たいていの場合、継続性に乏しいので、長期的に食うのは、パチンコよりも難しい。
「高レートで継続的なカモがいる所に潜り込みたい」
そう思うかもしれませんが、カモられる立場になれるほどの、まっとうな稼ぎを目指したほうが得かもしれませんよ。
人の知らない攻略法で
稼いでいるプロたち
末井昭さんと西原理恵子さんと私の共著「パチンコからはじまる○△×な話」(主婦の友社)に、末井さんと当時銀玉親方だった私の、パチンコ攻略法時代の対談があります。
私の経験では、月収二百万円くらいの攻略法が最高でしたが、それを遥かに上回る攻略法もありました。
ベテランのパチンコファンならご存じの梁山泊です。
当時麻雀プロでライターでもあった浜田文太さん(現在は作家浜田文人さん)が「浪花梁山泊」として紹介し、有名になりました。
集団でパチンコ店を急襲し、あっという間に大連チャンさせて、全員がドル箱を積み上げるんです。
私がゲストで行ってた店の指令室には、必ずと言っていいほど、梁山泊の顔写真が張ってありました。
元もとは「パチンコ必勝ガイド」のスタッフが開発した攻略法で、私も試してみましたが、今イチ稼げませんでした。
開発スタッフや私よりも、梁山泊のほうが、ブラッシュアップ能力と実行力が、ケタ違いに優れていたんです。
「ぼくも彼らを取材したけど、あの恐喝みたいな実行力は凄いね」
末井さんの述懐です。
「一日中玉を出されたく無かったら、納得のいく誠意を見せてくれ、って凄むんだから」
凄むことを除けば、彼らのやってたことは、当時は違法じゃ無かったんです。
ただし、たとえプロでもギャンブルでこんなに稼げることは、めったに無いし、あっても長続きしません。