文・カイエ【火曜担当ライター】2025年9月16日
Mリーグオフィシャルショップで毎年販売されるMリーガー個人のマフラータオルには、選手のビジュアル・名前と共に、異名が併記されている。
今期は「新」Mリーガーが7名誕生し、その異名にも注目が集まった。
「三河の猛将」「紅顔のアサシン」「三冠王」「我慢が嫌いな喰いしん坊」「変幻自在の感覚派」「鬼神」「黒髪の戦女神」
誰がどの二つ名を冠するのか、お分かりになるだろうか?
第2試合

東家:伊達朱里紗(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:白鳥翔(渋谷ABEMAS)
西家:内川幸太郎(EX風林火山)
北家:岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)
開幕2日目の第2試合。早くも面白いメンツが集まった。
新チームや新Mリーガーの誕生に盛り上がる2025-26シーズンだが、この半荘の顔ぶれは、すでにMリーグを代表するといってもよい人気者4名。
中でも注目は、風林火山の内川幸太郎。
先日の世界麻雀では、見事に個人戦で優勝している。
【世界麻雀TOKYO2025】個人戦優勝は内川幸太郎! | キンマweb |『近代麻雀』の竹書房がおくる麻雀ニュース・情報サイト
さて「新」Mリーガーではない「移籍」Mリーガーの内川だが、今期から異名を変更してきたのには少しく驚いた。ちなみに「復帰」Mリーガーの東城りおは、BEAST X所属になっても、セガサミーフェニックス時代と同じ異名「ミス・パーフェクト」だ。
そう。
かつて「手順マエストロ」の異名で呼ばれた男は、「真紅の烈風」として再びMの舞台に姿を現した。
何も変わらない。しかし、何もかもが変わってもいる。
自信もある。不安もある。戸惑いもある。喜びもある。
ただ、己の信念だけは、己の麻雀だけは変わらない。
また、大好きな麻雀が、最高のこの舞台で打てる。

新生・内川幸太郎は、入場シーンからどこか楽しそうな表情を浮かべていた。
東1局

すでに前巡に白鳥から先制リーチが入っているが、苦しい配牌から急所をズバズバ埋め、ピンフの好形で勢いよく追っかけた。挨拶代わりといったところか。
だが、ここは後筋になったを岡田が放銃し、白鳥2600の和了。

そして、東2局2本場。
流局が2局続き、供託が2本溜まっている。

ション牌のと、すでに場に2枚切れの
ではあるが、シャンポン待ちのリーチ。
今日の内川はツモり方にも躍動感があり、またMの舞台で打てる歓びを隠しきれないかのようだ。
結果は、

テンパイした親の白鳥からの、追っかけリーチ宣言牌で打ち取り2600の和了。本場と供託とを合わせて5200点の加点に成功した。
これが「風林火山」内川幸太郎の初アガリとなった。
続く東3局は、8巡目に岡田が先制リーチ。

待ちは。そして宣言牌の
を内川はポン!

親番とはいえ、愚形残りのリャンシャンテンからリーチ者の現物をポンする、実にアグレッシブな仕掛け。この男、やはり躍動しているか。

そして捨て牌が3段目に突入した頃、苦しい仕掛けに思われた内川のカンがすっぽりと埋まる。
を切ればタンヤオ赤の2900リャンメンテンパイ。しかしその
は新ドラだ。
状況を全体牌図で確認しよう。

岡田は自身でを暗槓しており、さらに内川からは
と
が3枚ずつ見えている。つまり、ソーズは真ん中でごっそり分断されていて、リャンメン形は、ほぼ全滅だ。通っていない有力な筋は【
、
、
、
、
、
】の6つ。回るなら
ヘッド落としで問題ない。内川の決断は。

少考後を切って、リーチ・タンヤオ・ドラ・赤の満貫に飛び込んだ。
親番・点数状況・残り筋・暗槓などから、非常に微妙な押し引き判断が要求される場面だった。成否はともかく、勝負所で果敢に踏み込む内川の麻雀は、これまでのMの歴史で数々の「ヒーロー気質」ぶりを魅せつけてきたのだった。
ところで、この元サクラナイツ→現サクラナイツへの点棒の横移動は、ABEMAのコメント欄で「ふるさと納税」と称され、その瞬発力と大喜利力にわたしは舌を巻いた。玉石混交の中に宝石を発見する愉悦が、確かにそこには存在する。ただ、誹謗中傷は、ダメ絶対。無価値な石でなく、価値のある玉を。