背水の攻防──　白鳥翔が最後まで足掻いた証【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 12/15 第1試合】担当記者 後藤哲冶

背水の攻防──
白鳥翔が最後まで足掻いた証

文・後藤哲冶【月曜担当ライター】2025年12月15日

１２月１５日

第1試合

東家：二階堂亜樹（EX風林火山）
南家：浅見真紀（赤坂ドリブンズ）
西家：醍醐大（セガサミーフェニックス）
北家：白鳥翔（渋谷ABEMAS）

この日の白鳥翔は、とことん厳しい状況だったと言って良い。

まずは東1局。
非常に良い形でドラ赤のイーシャンテン。
醍醐から先制リーチを受けるものの、上手く４枚見えを活かして、当たりにくい牌を選んで手を壊さずに進める。

引きは不満ながらもカンのテンパイ。
しかしこの切ったが。

親番亜樹の仕掛けに掴まる。
ドラ１の2900放銃で幸先の悪いスタートとなってしまった。

しかしこれは、度重なる不運の序章にしか過ぎなかった。

東2局

ドラで自風のが出て、白鳥はこれを当然ポン。
形もあまりにも盤石だ。
瞬間カンになる待ちには取らないまである、受け入れの広い形。

がチーできて、これで待ちのテンパイ。山にはこの時点で４枚残っていた。
ドラ３赤の8000点。これで先ほどの失点を取り返すことになるか、と思いきや。

親番浅見に追い付かれてしまう。
とのシャンポン待ち。こちらは山に２枚。
高目のは１枚だけ…… だったのだが。

これを掴んでしまったのが白鳥だった。
止まるべくもない。いや、止めたらダメとさえ言って良いかもしれない。

これが浅見に突き刺さる。
7700の放銃であっという間に白鳥の点棒が無くなっていく。

東2局1本場は醍醐がを１枚スルーして自力で重ね、リーチして一発ツモ裏３。
3000、6000の加点で、浅見を抜き去りトップに立った。

持ち点が１万点を切ってしまった白鳥だったが、東4局1本場、なんとか親番でリーチを打つことに成功。
待ちを選ぶことができたが、ここは迷わずにカンを選択。あらかじめ決めていた待ちで勝負。
山読みはばっちり、４枚全て残っていた。

追っかけリーチを放ってきた亜樹とのめくり合いを制して、2000点のアガリ。
欲を言えば１枚くらいは裏ドラが欲しかったところだ。

南1局

この局、白鳥にとって最大の難所がやってきた。
ドラドラ赤の勝負手イーシャンテンで、親番亜樹からの先制リーチを受けてしまった。
真っすぐ打つならだが……。

白鳥がここで少し時間を使う。
４着目で、自身が勝負手なら押すべき、と思うかもしれないが、事はそう簡単ではない。
状況を整理していこう。