背水の攻防── 白鳥翔が最後まで足掻いた証【Mリーグ2025-26 レギュラーシーズン 観戦記 12/15 第1試合】担当記者 後藤哲冶

まずは、これが親リーチの一発目であること。放銃した時の打点は非常に高い。
まだ親番も残っている以上、無理でも全部行く、というのは些か乱暴だ。
頼みの3、【6ピン】が既に場に4枚見えてしまっていること。
目に見えてあと4枚しかない、というのはマイナス評価点だ。

巡目が深いのも厳しい。
既に12巡目。だというのにも関わらず、【8マン】と、更にソーズの無スジをもう1つ押してやっと勝負の土俵に立てるというのは、かなり遠い道のりにも感じる。

白鳥が下した判断は、【9ピン】を切ってのオリだった。
しかし白鳥は、この【8マン】は押しても良かったかもしれないと試合後に反省していた。

【3ピン】【6ピン】は4枚見えているものの、浅見が2【1ピン】の切り順で切っていて且つカン【6ピン】のチーなので、【4ピン】【5ピン】【5ピン】【7ピン】のような複合系でもう1枚【3ピン】【6ピン】を使うケースが減っており、残りの【3ピン】【6ピン】は山に残っていてもなんらおかしくないこと。

亜樹のリーチ宣言牌【8ソウ】は、ソーズの愚形フォローになっている事が多く、その場合、自身がソーズを厚く構えている事、醍醐がソーズのホンイツをやっていることから、ソーズ愚形が埋まってない可能性が高いこと。

以上の2点から、一発目の【8マン】は押しても良かったかもしれないと話している。
非常に難しい押し引きだったのは間違いない。

この局は浅見が【5ソウ】を亜樹に放銃という形で決着。

白鳥はオリた直後に【3ソウ】を引いており、【3ピン】が亜樹の河に落ちているのがなんとも口惜しい。
白鳥のアガリが、あったかどうか。

南1局1本場

白鳥が好配牌を無駄ツモなく3巡で仕上げて【2ソウ】【5ソウ】ピンフリーチ。
4着目であること、打点上昇の変化がほとんど無いことから、これは当然のリーチだ。

そしてこの当然のリーチが。

 

8000の放銃になってしまう。
すぐに醍醐から追い付かれ、リーチ、そして一発で【4ピン】を掴む。

あまりにも厳しい牌の並びに、再び白鳥の点棒が10000点を割ってしまった。

そして迎えた、南4局

オーラス4着目の親番。
まさに背水の陣で、白鳥の手牌にはドラの【7マン】が対子。しかし、他の形がパッとしない。

白鳥は【9マン】切りを選択。
【8マン】を引いてのメンツ手は、どうせ間に合うかどうかかなり厳しい。
タンヤオか役牌を重ねての仕掛けが、この局アガれるルートだと見切りをつけた。

待望の役牌【中】重なり。
これでアガリまでのルートが少しだけ見えてきた。

【中】が鳴けてイーシャンテン。
【2ソウ】【5ソウ】【8ソウ】とカン【7ピン】だ。

が、ここでトップを狙う亜樹からリーチが入る。
ドラの【7マン】をツモれば逆転トップ。

が、トップ目醍醐がここで技を見せる。
亜樹のリーチは成就させたくない、自分はまだイーシャンテンということで、白鳥へのアシスト。
ネックになることが多い【7ピン】を切って、白鳥の出方を伺う。

この【7ピン】が実際に白鳥は喉から手が出る程欲しい【7ピン】だった。
チーしてテンパイ。【2ソウ】【5ソウ】【8ソウ】待ち。

そしてなんとこのチーで亜樹のアガリ牌【7マン】が浅見に流れる……!
こんな事を言うと某船長に怒られそうではあるが、実際にそうなのだから仕方ない。
醍醐のサボらない【7ピン】切りで、亜樹のアガリを阻止。

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