花は桜 君は美し【Mリーグ2022-23セミファイナル観戦記5/4】担当記者:ゆうせー

花は桜 君は美し

文・ゆうせー【木曜担当ライター】2023年5月4日

第1試合

東家:白鳥翔渋谷ABEMAS
南家:伊達朱里紗KONAMI麻雀格闘倶楽部
西家:岡田紗佳KADOKAWAサクラナイツ
北家:二階堂亜樹EX風林火山

いつもより15度浅く感じる、

お辞儀の角度。

(別の日↓)

普段と比べて

サッと軽めに髪を分けた、手の奥には、

神妙な面持ちがあった。

それもそのはず、

ファイナルシリーズ進出をかけて、残すはあと2戦。

4位格闘倶楽部と5位Piratesの差は93.9ポイント。

ラスだけは絶対に引けない。そして、連対することが出来ればファイナルの椅子がグッと近づく。

今年度MVP、伊達朱里紗に格闘倶楽部ファミリーの大一番は任された。

卓上でも、

心なしか、牌に伸びる影がいつもより長く感じられた。姿勢が卓へと前がかっているのだろう。

全集中の呼吸で臨む、

“鬼姫”伊達朱里紗

そんな伊達が岐路に立ったのは、東2局終盤のことだった。

下家岡田のリーチを受けながら、強気にホンイツでぶつけていった親番の伊達は、

16巡目に、

【5ソウ】を引いてきたのであった。

全体図を見てみよう。

こちらは親倍の手。

しかし、下家の岡田には【5ソウ】【6ソウ】も通っていない。

ここから伊達は、

【6ソウ】とした。

自分視点で7枚見えている【5ソウ】【8ソウ】が最も危ないと判断し、フリテンに取りながら【2ソウ】も含めての3枚をツモりにいった格好だ。

ノーチャンスの【3ソウ】を切るのが最も安全だが、待ちが【8ソウ】1枚となるのでアガリは薄い。

また、打【5ソウ】とするのが待ちの枚数としては4枚と最多になる。しかし、【5ソウ】は2筋にまたがる危険牌だ。非常に切りづらくはある。

【6ソウ】は中間策を取った形だ。

ただ、ワンチャンスの【6ソウ】とて通っている牌ではない。また、出アガリが効かないので、ツモ番があと2回だと考えるとアガリの機会も多いとは言えないだろう。

リスクを負うのに、リターンを得るチャンスがそんなにない、という打牌ではある。

ここが勝負、とアガリを見るなら、打【5ソウ】として枚数もアガリ抽選の回数も最大にとる。そして、トータルを考えてラス目のリーチに無理をしないなら、打【3ソウ】とする。どちらかの選択が良かったのではないだろうか。私は打【5ソウ】として半荘全体を決めにいきたいと感じる。

「ロン」

この【6ソウ】が岡田への3900の放銃となってしまう。

試合後には、そもそも「ドラの【1ソウ】も通るからカンせず切るべきだった」と話していた伊達。

パチンと頬を張られたような手痛い放銃となったが、伊達はここから本調子を取り戻すこととなる。

東3局は、

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