熱論!Mリーグ【Fri】
惨劇の風林火山…
滝沢和典と勝又健志は
“伝説を超える奇跡”への
布石は残せたのか⁉︎
文・masasio【金曜担当ライター】2020年2月14日
「メークレジェンド」
プロ野球に詳しい方はもちろん、そうでない方でも一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。
プロ野球2008年シーズン。
読売ジャイアンツが最大13ゲーム差をひっくり返す大逆転を演じ、見事ペナントレース優勝を果たしたのだ。
逆転劇―
それは時に見る者を熱くさせ、時に絶望の淵に叩き落す。
勝負ごとを語るには避けては通れないものだろう。
そんな逆転劇を起こさなければならないチームがある。
現在最下位のEX風林火山だ。
74試合を終えてマイナス339.5ポイント。
セミファイナル進出のボーダーである6位U-NEXTPiratesとは約380ポイント差。
残り16試合でこのポイント差をひっくり返さなければならない。
昨日2月13日のMリーグ解説は、EX風林火山・勝又選手だった。
その中で勝又はこんなことを言っていた
「Mリーグの60ポイント差が、野球に例えると1ゲーム差くらいだと考えているんですよ。ドリブンズはPiratesと200ポイント差、野球なら3.5ゲーム差くらい。風林火山はPiratesと300ポイント差。野球なら5ゲーム差。残り16試合でこの差ならまだまだ分かりませんよね」
なるほど、確かに逆転は険しい道のりだがあきらめるようなポイント差ではない。
ましてやMリーグのルールなら1回トップ―ラスを決めるだけで60ポイントと言わず100ポイント以上差を詰めることも可能だ。
勝又の言う通り、まだまだ分からない。
しかし、その一方でこうも言っていた。
「そうは言ってもポイントは苦しいので、(ドリブンズと風林火山は)どこかで大きくポイントを戻す日が必要ですね。風林火山は5トップ分プラスしなきゃいけないので、残り16試合を“トップ6回ラス1回”か“トップ7回ラス2回”くらいで行かないといけません。1日2半荘、どちらかでトップを取れるようにしっかり打っていきたいです」
昨シーズン抜群の安定感を誇ったEX風林火山の選手たちが、この厳しい状況において、一体どのような麻雀を見せてくれるのか。
非常に興味をかきたてられるところだ。
今日2月14日の試合内容に入る前に、EX風林火山の前回の試合を少し振り返ってみよう。
~2月10日振り返り~
第1試合
オーラス
僅差で迎えたオーラス。二階堂亜樹は2着目だった。
トップまではわずか4800点、ここは是が非でもトップを取りたい局面だ。
しかし3着目の寿人からリーチが入っている。
寿人との点差は1700点―テンパイノーテンで変わってしまう差だ。
残るツモは2回、亜樹は無筋のをそっと縦に置いた。
最終手番でのツモアガリ。
3着目を突き放し、トップ目の多井まで1800点差まで詰め寄る大きなアガリだ。
しかし、トップを狙うためにリーチの選択はなかっただろうか。
結局亜樹は次の局で沢崎に逆転を許してしまい3着でゲームを終えた。
「リーチを掛けていたら・・・」
タラ、レバは禁物だが、そう思わずにはいられないシーンだった。
しかし、もっと驚いたのは次の試合だ。
第2試合
南1局2本場
2試合目は滝沢和典が出場。2本場で供託リーチ棒が3本もある。
なんとしてもアガりたい滝沢、カンチーから発進する。滝沢にしては珍しい、役牌のバックだ。しかし親の沢崎誠からリーチが入ってしまう。
リーチを受けた滝沢、必要ないやが浮いているのはバックを悟られないようにするためだ。
これは滝沢の狙いなのでしょうがない。後手を踏んでしまったらオリるしかなさそうだ。
しかし滝沢は少考後を切った。これが沢崎へ12000は12600の放銃。
放銃は結果論だが、残り2枚しかないバック。しかもイーシャンテン。全く押す手牌ではないように見える。
滝沢自身もツイッターで「ひどい放銃」と述べていた。
少なくとも、普段の滝沢からは想像もできない放銃なのは間違いないだろう。
このように、紹介した2局を見ても、いまいち噛み合っていない印象を受ける。