甦れ⸺ 松ヶ瀬隆弥と真紅の炎
文・ゆうせー【木曜担当ライター】2024年3月14日
松ヶ瀬隆弥が、今季は地獄を味わっている。
2月が終わった時点で、個人ランキングは最下位。
一番下にある自分の名前を見て、胸が痛まないはずはない。
不調にあえぐ松ヶ瀬。
それでも監督は使い続けた。
そして、ついに、
3月2日、待望のトップを獲得。
そこから、松ヶ瀬は徐々に調子を取り戻し、
この試合が始まる頃には、確実にマイナスを減らしていた。
今は、レギュラーシーズンの最終盤。
6位までがセミファイナル進出となる。
大事なボーダー争いの最中、松ヶ瀬を信じて何度も送り出してくれる監督、そしてチームメイトやファンの信頼に応えたい。
いや、応えねばなるまい。
気合いみなぎる髪型で、
松ヶ瀬は卓へと向かっていった。
第1試合
東家:佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)
西家:園田賢(赤坂ドリブンズ)
北家:瀬戸熊直樹(TEAM RAIDEN / 雷電)
いきなり、
東1局に、リーチドラ裏3の12000を出アガり、
東1局2本場に、4000は4200オールを決めた寿人。
さらに、
東2局では、自風のドラを含む2副露。怒涛の攻めを繰り出してくる。
対して、親番の松ヶ瀬、
ここから、
打とする。
松ヶ瀬の基本フォームは、「シャンテン数の分だけ安全牌を持つ構え」だ。
牌効率上の損は承知の上で、手詰まって致命傷を負うことを避ける、守備型の選手である。
ここも松ヶ瀬は親番ではあるが、上家にいる寿人の河が薄いうちに危険なを処理しておく意味合いが強い。
オリるにせよ、上手くいって押し返すにせよ、リスクは低く、というのが狙いだ。
ただ、手数自体は少なくなる。今季は相手に押し込まれてしまう場面が多かった、というのが私の印象である。
だが、この日は違った。
カンチャンを埋めて、寿人の現物待ちでダマテンに構えたあとで、
リャンメンに変化してリーチ!
これをしっかりとツモりあげ、4000オールのアガリとなった。
寿人を追撃する体勢に入った松ヶ瀬。