パチンコがらみの
犯罪は多かった
学生時代に高田馬場のパチンコ店で正社員として働いており、ライバル店の社長とは麻雀仲間だったので、当時のパチンコ事情にはけっこう詳しかったです。
これが後に、パチンコライターの銀玉親方に繋がったのは、幸運でした。
当時のパチンコ店は、経営者から店長、アルバイト、お客さん、地元のヤクザまでが、盛大に不正をやってました。
お店や会社で不正があると、潰れることが多いんですが、当時のパチンコ店は、それに耐えられるほど、ボロ儲けしていたんです。
私はライバル店の社長とは別の場所で、そこの店長とも麻雀仲間でした。
「社長の店の店長、不正してるの知ってますか?」
「まあな」
その店長と親しいゴト師の証言では、三億くらい抜いて博打に使ったとのことです。
あ、ゴト師も不正リスト入りです。
●教訓。
店長の不正で店が傾くのではなく、不正する店長の店にはお客さんが来なくなるのが主な原因。
店長は社長にバレないよう利益を確保したくて、クギや設定を絞って、お客さんを飛ばしてしまうんです。
クビになった店長は、隠し金で雀荘を開きましたが、あっという間に潰れたのは当然だと思います。
私が働いていた店の店長も、似たようなことをやってました。
主任とカウンターの太った玉貸し嬢は、共謀して玉数をゴマかして現金化していました。
これもリストに追加と。
では、社長は自分のお金を盗まれるばかりかというと、実は巨額の脱税をしていたから似たようなもの。
「まあな」
という社長の生返事は、店長にそうした弱みを握られていたからかもしれません。
私も職場の店長から、おそらく口止め料として酒を奢ってもらってたのでリスト入りです。
今はほとんどありませんが、当時の多くのパチンコ店は、ヤクザに上納金を払っていました。
やはり麻雀仲間の買い場(特殊景品買い取り所)の経営者の話。
「ウチは開設に一千万円だったから、店はその何倍かだろうな」
これらの非合法に動くお金は、結局お客さんのフトコロから出てるんだから、お客さんが勝つのはかなりたいへんです。
その後、パチンコ店は脱税をやめて、ヤクザと縁を切り、労働環境も改善されています。
不正も少なくなって、健全な職場になっているのは喜ばしいことです。
麻雀業界の
セコい不正も
減っている
前述の複雑な麻雀仲間関係から分かるように、パチンコ業界と麻雀業界は人間関係で縁があります。
でも麻雀業界の事業規模は、ケタ違いに小さいです。
なので、不正の規模も遥かに小さくてセコいです。
高田馬場の私の店の近くの雀荘では、だいぶ前にスロット好きの店長が店の売り上げを持ち逃げしました。
先の三億円の1%も無い金額です。
ギャンブル好きの店長、というだけで、すでに社長にマークされます。
店長の不正の兆候は、売上の入金日が遅れる。
給料日直後に遅れが解消されるパターンになると
「給料で売り上げを詰めたな」
と推理されます。
私の今の雀荘たぬ以前にやってた店で、店長に持ち逃げされたことがあります。
やはりギャンブル好きで、毎日のように店の売り上げを持って、競輪に行ってたんです。
店長がこんなだと、従業員も似たようなもので、勝っていても負けたことにしてアウトするんです。
アウト分のお金は給料日に差し引かれるんですが、当面の小遣い欲しさにウソをつく。
返済するんだから盗んだのとは違いますが、だいたい給料以上に借金を作って逃げてしまいます。
当時の業界常識では、借金を残さずに綺麗に退職した人は、一割もいませんでした。
労働条件が悪かったのも原因です。
もちろん店は潰れました。
かつての劣悪な労働環境を反省し、今の店は従業員の麻雀の勝ち負けは、完全店持ちで、ゲーム代負担無しでやってます。
勝ち負けに関係無く、働いただけ確実に給料が貰えるので安心です。
それでも不正はマレに起こります。
勝ったゲームを負けたことにすれば、半チャン1回で往復一万円近くの現金が手元に残る計算になるんです。