熱論!Mリーグ【Thu】
見るもの全てを唸らせる
Mリーガー本日の
“神プレーBEST5”
文・ゆうせー【木曜担当ライター】2019年1月10日
謹んで新年のお慶びを申し上げます。本年も精一杯記事を書いてまいりますので、皆様よろしくお願いいたします。
では、早速対局に参りましょう。年末年始のMリーグ休止期間を挟み、さらにはパブリックビューイングもあったからでしょうか、昨日の対局はいつにも増して素晴らしい打牌が随所にありました。そこで、今回の記事は選手1人にスポットを当てるのではなく、5人の選手による5つのナイスプレーを取り上げたいと思います。
①村上選手のリーチ手順(1戦目東1局)
開局親番 、村上の配牌がこちら。
村上はこういう「そこまでよくない、仕掛けの効かないメンツ手」をリーチにまで持っていくのが非常に上手いプレイヤーだ。
その秘訣として、ここから3巡目まで、
村上は、真っすぐに字牌を切り出していく。自ら率先して役牌を潰していき、なるべく仕掛けのない状態で門前勝負に持ち込もうというのが狙いだ。
村上が「第一打に他者のダブを切っていく」というのは有名な話だが、それも同じように「他家に有利に働く役牌を、重ねられる前に積極的に切る」というのが目的だろう。
もちろん、123の三色が見えるや、引きで活きてくるはしっかり手の内に残す。このように数牌中心の手組をすることでツモによる有効牌は多くなる。
しかし、朝倉と多井に仕掛けが入る。村上の手はそこまで早くない。間に合うだろうか…
8巡目の村上、
ここから打とする。序盤は数牌を目いっぱい広げていくが、中盤に余剰牌を持っていると放銃のリスクが高まってしまう。村上は、中盤をスリムに構えることで、仕掛けなどの他家の攻撃に対しての放銃を未然に防いでいるのだ。
10巡目にを引いてこの形になったが、
が2枚切れていることから、我慢して打。
そして、
が重なった。ここは、
ビシッ!とション牌のを切った。仕掛けが2件あるとはいえ、勝負出来る手格好になったら堂々と向かっていくのが村上のスタイルだ。そして、
「リーチ!」
凛とした声が会場に響きわたる。村上はさほどよくなかった配牌を、赤2枚使った待ちの良形リーチに見事仕上げた。
自分のすべき手順は、全てやりきった表情だ。
しかし、
満貫テンパイの入っている朝倉も無筋を勝負してくる。
さらに、
一度は迂回した多井も、粘り強く交わし手を入れている。
アガったのは…
「ツモ!」
村上だった。高めのドラをツモりあげ、
裏がなんと3枚乗った。8000オールだ。
去年はチーム自体が好調の中、なかなかトップが取れずに歯がゆい思いもしたであろう村上。このアガリで溜飲がさがってホッとしたように見えた。
その後も、自分が高打点の時は積極的に攻め、逆に手が悪い時はしっかり安全牌をキープするなど、攻守にメリハリのある麻雀を打った村上。今年初戦、トップを飾った。
また、
対局が終わるや否や、試合中頻繁に咳き込んでいたことを詫びていたであろう村上。この誠実さも村上の魅力ではないだろうか。