「Mリーグ2年目の危機感…
渋谷ABEMASは
麻雀界の盟主を目指す!」
多井隆晴プロ
特別ロングインタビュー
【第5回/全5回】記事:東川亮
全5回でお届けしてきた、多井隆晴プロ、ロングインタビュー企画。最終回では、9月30日から始まる2シーズン目のMリーグ、そして多井プロが抱く、麻雀界や社会貢献活動への思いなどを語っていただいた。
麻雀ファンが、自分に何をしてほしいか
ーーこれから、新しくチャレンジしたいジャンルやお仕事はありますか。
多井「それ、僕はこだわりがないんです。僕が何かをやりたいという考えがすでにおこがましくて、それよりも麻雀ファンのみなさんが、多井に何に出てほしいかを逆に聞きたいです。簡単な話、何でもやりますよって話です。芸能人や著名人の方が集まる感謝祭みたいな番組に出てみたいとかは思いますけど、それもおこがましいので」
ーーそういう番組に麻雀プロが呼ばれるようになったら、麻雀プロという存在が世の中に認知されたということになるかもしれませんね。
多井「そうですね。将棋の加藤一二三さんとか羽生善治さんとか、そういう感じのレベルになって、バラエティー番組や地上波に呼ばれるようになったら、そこがスタートなんですよ」
ーーそこが到達点ではなく、スタートだと。
多井「そこがスタートです。まだ始まってないですよ、麻雀プロは。本当に、AbemaTVだったり竹書房さんだったり、MONDO TVだったりにおんぶに抱っこで、始まってもいないんです。麻雀プロの世界は」
ーーそれをスタートまで持っていくというのが。
多井「僕が持っていきたいですけど、僕が無理だとしても、僕の代わりに誰か出ますよ。今はいないかもしれないですけど、誰かしらが出て、その人が跡を継いでやっていくんです。そういうものですから」
社会貢献活動への思い
ーー9月30日には、2年目のMリーグが開幕します。まずは開幕戦をどのくらいの人が見るかですね。
多井「最初のスタートダッシュも大事ですし、もっと注目を高めるために、なにかもうちょっと打って出たいところはありますね。なかなかアピールはしづらいんですけど、たとえば10回トップ獲ったら10万円を赤十字に寄付とか。そういうチャリティー活動をしていくのも、今後は大事じゃないかと思います」
ーー社会貢献活動も視野に入れていくと。
多井「大事ですよ。これをやることで、いっぱしの社会人ということですよ。国にお金を納めてとか、社会貢献をしていくことで、はじめてその業種で食えている、ということだと僕は思っているので。僕がなにかでチャリティーに参加するとか、ボランティア活動をするとかは、僕の中ですごく大事です。
そういう活動の一環として、たとえば大学生とか、ネット麻雀しかやったことない子、実際の牌を触ったことがない子に何かやってあげようかなと思っているんですよね。大会とかじゃなく、1日8時間くらい雀荘を開放して、そこに僕とか若手プロが何人かボランティアで来てもらって。そういうのもやってみようとは思っています」
渋谷Abemas、Mリーグ2年目の目標
ーー2年目というのは本当に勝負どころだと思いますが、Mリーグ、渋谷Abemasについてはいかがですか。
多井「とにかく、一番目立つチームを目指します。野球だったら巨人、Mリーグだったら渋谷Abemasと言われるくらいの中心チームじゃないといけないので、サポーター数、視聴数でも、一番数字が取れるチーム、一番人気があるチームになるのは最低限ですよね。
あとはそれぞれの能力というか、もうちょっとチームメイトの地位を上げたいんですよ。もっと人気者にして。今、白鳥翔プロと松本吉弘プロ、新しく加わった日向藍子プロは、それぞれ各団体の2番目のリーグにいるんですね。それを3年以内にトップリーガーにします。全員トップリーガーになる可能性のあるチームって他にないですし、そもそも所属選手の団体がバラバラなチームなんてウチしかないですからね。最もMリーグのコンセプトを体現している、みんなが見たがっているチームじゃないかという自負はあります。だからこれからも、そこだけは譲れないところとして、いろいろな団体、いろいろな世代のいいところを取り入れて、いろいろな特色のあるチームにしていきたいですね。そして一番人気があり、一番数字が取れて、なおかつ一番強いチームを目指します」
ーー本当に気になっているんですけど、体調には気を付けてください。
多井「体調はだめです。47年間健康だったことがないので。この前、インタビューで「お休みの日は何していますか」って聞かれて「入院してます」って言ったんですけど、すべっちゃって。面白いと思ったんですけど(笑)。実際、今は12月くらいまで全然スケジュールの空きがない状態なんですけど、でもそんなプロって面白くないですか?」