昨年のセミファイナル最終戦の記憶が、色濃く残っている視聴者の方は多いのではないだろうか。
ファイナル通過は絶望的と思われていたチームゼウス。
しかし、本当にあと一歩のところまでチームを連れて行ったのが、ルイス・キャミ―だった。
そして今年、またもやルイスに無理難題が押し付けられる。
トップラス+90600点差。
昨年よりもさらに重い条件が、ルイスの肩にのしかかった。
しかし、忘れてはいけない。
この条件は、第1試合の鈴木勝と、第2試合の因幡はねるが必死に繋いできた条件なのだ。
2人の結果如何によっては、もうこの時点でほぼ可能性が潰えていても、なんらおかしくなかった。
ルイスが、最終戦の舞台に立つ。
ルイスは第2試合までの結果を知らない。
けれど、ルイスはチームメイトを信じて戦う。去年も、そうだったように。
セミファイナル 第3試合
東家 ルイス・キャミー(チームグラディウス)
南家 歌衣メイカ (チームアトラス)
西家 桜凛月 (チームゼウス)
北家 緑仙 (チームヘラクレス)
「いつメン! 対戦おにゃしゃーっす! 」
卓を囲むのは、勝手知ったるいつものメンツ。
同じ団体に所属し長年苦楽を共にしてきた緑仙と。
初年度はチームメイトとして優勝の歓喜を分かち合った歌衣と。
そして、対面に座るのは、ルイスが大好きなお姉ちゃん、桜凛月だ。
きっと、ルイスが声をかければ、時間さえ許せばいつだって麻雀が打てる。そんなメンバー。
だけど、この勝負にもう一度は無いから。
いつものメンバーと、1回きりの大勝負が始まった。
東1局
早速勝負の親番で、いきなりルイスに勝負手が舞い込んだ。
ドラのが暗刻。形こそまだ不十分だが、これを決めれば奇跡の大逆転に向けて最初の一歩を踏み出すことができる。
を引いて、形が良くなる。
一番弱いターツであるカンを外しながら、イーシャンテン。
ペンの形は、現状は心もとないが……。
こうした変化を見る事ができるのが、最大の魅力。
これでの広いイーシャンテンだ。
先手をとったのは、ヘラクレスの緑仙だった。
ドラのカン待ちは、ある種当然のリーチではあるが。
今回ばかりは間が悪かった。
緑仙が欲しいドラのを暗刻にしている親のルイスが、一切の躊躇なく踏み込んで来た。
引きはなんと三暗刻まで確定する、18000確定手。
東1局からとんでもない爆弾がルイスの手に。
この瞬間、昨年のあの三倍満を思い出した人もいるのではないだろうか。
ツモって裏ドラが乗れば、あの時と同じ打点、24000にまで跳ね上がる。
そのリーチ宣言牌が、場に置かれたまま一瞬時が止まる。
ソーズのホンイツに向かっていた、ゼウス桜が、をポンすればテンパイなのだ。
しかしそのテンパイを取ると、押し出されてしまうのは、当たり牌の……!
ターゲットとなるゼウスからの直撃か。
そんなただならぬ空気が公式配信でも流れる中。