黒沢選手、奇跡の逆転トップの手順を徹底検証!(文・渋川難波32)

今回は何切る問題と言うよりは、検証回です。
題して「黒沢選手、奇跡の逆転トップの手順を徹底検証!」です。
レギュラーシーズン、チーム雷電の最終戦。伝説とも言われている黒沢選手の大逆転トップですが、実はこの局の手順が非常に難しかったので、振り返っていきましょう。
まず第一に、点棒状況です。
現在二着目、そしてトップとは8400点差です。5本場なので、逆転には出和了だとマンガン以上、直撃だと3200以上、ツモ和了だと13.26以上です。
そして大事なのが、トータルポイントです。
6位までがレギュラーシーズンを勝ち抜きます。現在雷電は6位で、7位パイレーツ、8位フェニックスの対局が翌日に行われます。
つまり、雷電はポイントを知られた上で、7位8位に狙われるポジションなのです。
雷電の最終戦前のトータルポイントはこうなっています。

翌日の二チームがどうなるか分からないので、確定したことは言えませんが僕の予想では
トップだった場合→結構有利
二着だった場合→お祈りだけど、少し厳しい
三着、四着だった場合→ほぼ無理
という感じです。
さてそれをふまえまして、黒沢選手の手を見ていきましょう。
まず最初の分岐点がこちらです。

うーーん、難しい!
和了を目指すだけなら当然ドラの【中】切りですが、その場合この手はリーチ赤になりそうです。つまり、ツモっても裏ドラが乗らないと逆転できません。
先程言いましたように、ここは是が非でもトップを取りたい局面です。ドラが重なれば無条件で条件を満たすと考えると、ここで切るのは如何なものか?
ということで、黒沢選手は【8マン】を切りました。
4mを切ってカン7mのひっかけを作るよりも、赤【赤5マン】のダイレクトと、【3マン】引きのリャンメン変化に重きを置いた一打です。なんとしてでも、逆転手を作ろうという気持ちが伝わります。
第二の分岐点はすぐに来ました。

はい、また難しい!

ドラ【中】を切ると、ツモって裏条件は変わりありません。【8ソウ】を切るとソーズの伸びが消えてしまいます。ピンズを切ると、ソーズの伸びは残るけれどダイレクトの受け入れが少ないです。
どれを切っても欠点がありますが、ここで黒沢選手は【1ピン】切りを選択しました。ソーズの伸びに重きを置いたのです。
そしてここから、怒涛の難しいラッシュがきます。

【3ピン】

 

【7ピン】

 

【3ソウ】

 

黒沢選手はもう心をきめています。

「トップ必須の気持ちで裏ドラに頼らないテンパイを目指す。出来れば良形にする」
その一貫した気持ちがあるので、ソーズを伸ばしにいきますし、亜樹選手のリーチを受けてもオリることは一切考えませんでした。
そして、その選択が

この【7ピン】ツモを生みました。強い意思があってこその和了です。
セミファイナルも、黒沢選手の打牌から目が離せませんね!
それでは、また!

渋川通信

みなさんご存知でしょうが、コロナウイルス陽性となってしまいました。しかし家でもコラムは書けますので、休まずやっていこうと思います!よろしくお願いします!

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