【 #神域リーグ2024 第17試合観戦記】 #因幡はねる と最高の相棒【文 #後藤哲冶 】

因幡はねるが今シーズン、絶対に対局したい相手を、1人挙げた。

その相手は、松本吉弘
因幡にとってみれば、2年間、チームヘラクレスとして共に歩み、そして栄冠を手にした、相棒ともいえる存在。

それは、松本にとっても同じ。
神域だけでなく、因幡が作るコンテンツの数々は、松本が配信をするにあたって大きな力になっていた。
人一倍、因幡の凄さを知っている人物でもあるのだ。

そんな2人が、今宵神域リーグの舞台で初めて対局する。

「もってぃをこらしめられるのは、私だけでしょう! 」

気合は十分。
麻雀を教えてもらった時間は、きっと誰よりも長い。
成長した所を見せ、この対局に勝つことが、何よりの恩返しだと思うから。

さあ、最高の恩返しをしに行こう。

第6節 第2試合

東家 松本吉弘 (チームヘラクレス)
南家 因幡はねる(チームグラディウス)
西家 咲乃もこ (チームアキレス)
北家 桜凛月  (チームゼウス)

第2試合は、重苦しい幕開けとなった。

まずは東1局。桜のリーチが入るも、終盤に連闘連勝を狙う松本がテンパイを入れて流局。

続く1本場。今度は松本の親リーチに対して、桜と因幡が終盤にテンパイをもぎとった。
3人テンパイで流局。

「うぉ、やるなあー……やるねえ」

相手を賞賛しながら……どこか松本の声音は、楽し気な色を含んでいた。

もう一度流局を挟み、供託が3本にまで膨れ上がった、東1局3本場

最初に動いたのは因幡だった。
【白】【發】がトイツのこの手は、鳴いた方が圧倒的に速い。
【發】のポンから発進して、アガリを取りに行く。

【白】【6ピン】まで鳴けて、因幡にテンパイが入った。
ドラの5m単騎。少しアガリにくい形にはなってしまったが、これならば8000点の高打点だ。

その因幡が欲しいドラの【5マン】を、3枚抱えていたのが桜だった。
ペン【3ピン】を外して、カン【3ソウ】チーから発進。ドラが沢山あって手牌価値が高い時に、こうして動けるようになったのが桜の強み。
3副露している因幡に対してタンヤオで真っ向勝負。

桜がこの手を成就させることに成功。咲乃から8000の討ち取り。
カン【3ソウ】チーから発進してのタンヤオが、見事にハマった。
供託も回収して、まずは桜がリードを奪う。

東2局

親番を迎えた因幡の配牌……はあまり良いとは言い難い。
しかし今は親番。真っすぐに手を進めていく。

ツモが良く、6巡目にタンヤオのイーシャンテンに辿り着いた。
【4ソウ】を引いて、ソーズの形が引き締まる。
ここは【東】を切って目一杯。ソーズの形は【2ソウ】【5ソウ】の他に【7ソウ】の受け入れがあることを、因幡は理解している。

【2ピン】を引いて、打【8ソウ】
【7ソウ】の受け入れは無くなるが、この打【8ソウ】は悪くない。
【6マン】【8マン】を縦で引いた時に、タンヤオ三色の価値あるイーシャンテンに移行できる。先に【4ピン】を引いた時も対応可能だ。

因幡は9巡目に松本から切られた【2ソウ】をスルー。
自身の手の内を含めて4枚目の【2ソウ】【5ソウ】は、チーしたくなる気持ちもあるが、ここは我慢。
因幡はこの手をメンゼンで仕上げると決めた。
この時、因幡には手応えがあった。それは――

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