【 #神域リーグ2024 第11試合観戦記】一番星を覆う叢雲 闇夜を切り裂いて、空星きらめ 至上神(ゼウス)の空に煌めけ【文 #後藤哲冶 】

空星きらめと言えば、昨年の神域リーグを席巻した人物である、というのは多くの方が知っていることであろう。

レギュラーシーズンを終えてのスコアは、圧巻の258.8pt。
5試合に出場し、1着4回、3着1回はまさに圧倒的と呼ぶに相応しい結果だった。

チームがゼウスに変わった今年。
開幕戦を任され、そこでもトップを獲得。
今年も、空星きらめなのか。そんな風に言われていたのが、ここ2試合3着でブレーキ。

それと同時に、チームにも暗雲がたちこめていた。
なかなかポイントがプラスにならず、上位から引き離されていく日々。

どうにか、この流れを止めておきたい。
ゼウスのそんな願いは、昨年MVPの空星きらめに託された。

第4節 第2試合

東家 咲乃もこ (チームアキレス)
南家 緑仙   (チームヘラクレス)
西家 空星きらめ(チームゼウス)  
北家 因幡はねる(チームグラディウス)

この試合は、昨年のヘラクレスメンバー+咲乃という面白い組み合わせになった。

東1局

この試合で最初のリードを奪ったのは、第1試合でもトップを獲得した、緑仙だった。
【3ピン】を引き入れての【3ソウ】【6ソウ】リーチは、ツモれば3000、6000からの大物手。
こうした高打点の手でも、迷う事なくリーチを打てるようになったのは、緑仙の成長。

親番の咲乃はタンヤオの仕掛けを入れていたが、当たり牌の【6ソウ】を掴んで撤退。
流石の守備力を見せる。

止められても、ツモってしまえば関係ないとばかりに、緑仙の力強いツモ。
3000、6000の加点で、連続トップへ邁進する。
しかしこの3000、6000は、これから始まる高打点オンパレードの序章に過ぎなかった。

勢いに乗る緑仙は続く東2局
【赤5ピン】を引き入れて選択。この日解説を務めた鴨神にゅうが「【4ソウ】【5ソウ】払いが普通だが、【7マン】【8マン】払いもある」と解説。
広い三面張の【3マン】【6マン】【9マン】と赤を使ったリャンメン、【5ピン】【6ピン】を固定し、【4ソウ】【5ソウ】払いが通常だが、456三色という最高目を狙うなら、アリだ、と。

緑仙が選んだのは、【4ソウ】【5ソウ】払い。
赤が無ければ話は違ったかもしれないが、手の中には既に赤が1枚。
ある程度打点が担保されるのであれば、よりアガリに近い方を選びたい。
【7ピン】を見事引き入れて、三面張のリーチに辿り着いた。

緑仙に好きなようにはさせないと、追いすがるのが咲乃もこ
出ていくのは赤【赤5マン】だが、他に安全牌もない。
であれば、このテンパイは取った方が良い、と勝負に出た。

ここに空星も食らいつく。
緑仙が切った【8マン】をチーして、【6ソウ】をまずは勝負。
自身も赤とドラが1枚ずつの良い手だ。

当たり牌だった【6マン】に、【5マン】をくっつけてテンパイ……!
【4マン】【7マン】待ちで追い付いた。
これで、3人テンパイ。

しかしここで、咲乃が【9マン】を掴んでしまう。
まだ安全牌もそこまで増えておらず、【9マン】は当たりにくい端牌だ。
これも勝負するかと思いきや。

「やめるか、そろそろ……!」

なんという守備力。これが長年麻雀界の最速最強によって教え込まれた守備力か。
ビタ止めという言葉がふさわしい、スーパーストップ。
緑仙のアガリを阻止することに成功。

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