【 #神域リーグ2024 第11試合観戦記】一番星を覆う叢雲 闇夜を切り裂いて、空星きらめ 至上神(ゼウス)の空に煌めけ【文 #後藤哲冶 】

それでも、今宵の緑仙は止まらない。
残っていた【3マン】をツモアガリ、2600オールの加点。

東2局1本場

この緑仙の猛攻に待ったをかけたのが、空星だった。
難しいこの形から、空星が選んだのは打【8マン】
悪くない選択だと思う。
タンヤオドラ4を主眼に置きながら、縦に伸びた時の大物手、トイトイ四暗刻も逃さない。

【2マン】をポンして、カン【5マン】のテンパイ。
更にここから、【3マン】を引き入れて自分がポンしている牌ではあるが、【2マン】の待ちが増える。

ここに咲乃が追い付いた。
【3マン】を引き入れての【1ソウ】【4ソウ】待ちリーチ……

だがそのリーチは、一度たりともツモの機会をもらえなかった。
空星が【2マン】をツモアガリ、2000、4000の加点。
これで、トップ目緑仙に迫る。

東3局

更に空星が加点に成功。ダブ【東】とドラが2枚あれば、あっという間に12000の完成。

放銃に回ってしまった因幡も、この手からでは避けられない。
自身も高打点が見える上に、受け入れの広いイーシャンテンになってしまっていた。
苦しむグラディウスに更なる苦難が襲い掛かっている。

東3局1本場

苦しむ咲乃に、ドラ3の良い手が入った。
が、切る牌が難しい。咲乃が選んだのは【9ソウ】
チートイツも限界まで見つつ、全てのドラを絶対に使い切るという、意志の表れ。

【6ソウ】【5ピン】をチーしてテンパイ。
アガリ牌の【發】は残り1枚しかないが、咲乃の仕掛けは【發】が当たるように見えにくい。

咲乃がこれをアガリ切る。

「やっと始まった私の神域リーグ……!」

今シーズン、ひたすらに厳しい戦いを強いられていた咲乃から出た、安堵の声。
しかしこれで終わりではない。もちろんトップを目指して、咲乃が更なる加点を目指す。

ここに飛び込んでしまったのが、緑仙とトップ争いを繰り広げていた、空星だった。

タンヤオだと思ってた」

小さく零したその声が、彼女の本音。
8000点の失点で、僅かに嫌な予感がよぎる。

東4局

空星がタンヤオに寄ったこの形で、ドラの【西】をリリース。
全員の役牌ではないため、ここでの見切りは悪くない。

しかしそのタイミングがあまりにも悪すぎた。
西家の緑仙が、【西】を重ねた直後だった。
緑仙がこれをポンしてイーシャンテン。

空星にもテンパイが入る。
が、タンヤオのつかない、【9ソウ】ツモ。
待ちは悪いが、リーチを打てばトップ目である緑仙がオリてくれるかもしれないと考え、リーチへ。

が、既に緑仙にはリャンメンテンパイが入っていた。
これだけ良い手牌なら、オリる理由などなく。

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