【 #神域リーグ2024 第11試合観戦記】一番星を覆う叢雲　闇夜を切り裂いて、空星きらめ　至上神（ゼウス）の空に煌めけ【文 #後藤哲冶 】

空星が掴んでしまう。
8000点の失点。東場で加点した点棒が、瞬く間に無くなってしまった。

南１局

ここで咲乃が素晴らしい手組を見せる。
を引いてテンパイ。を切れば、ドラ赤のテンパイだが。

咲乃はドラの切り。
狙いはピンズのチンイツ。これだけ形が良ければ、十分に狙えると確信した。

即座にをチーしてテンパイ。
これで18000の待ちは恐ろしい。

「ごめん皆きらめ、しんだ！」

これに飛び込んでしまったのが、またしても空星だった。
まさか咲乃の手がここまで仕上がっているとは思えない。
どこぞやの海賊王のような言葉を残して、18000点の失点。

南１局１本場

それでも空星は挫けない。
勢いに乗る咲乃から今度は６巡目リーチが入るものの、安全牌が無い。
通りそうなのは唯一のみ。

ならば、真っすぐ打った方が良いと判断。
を打ちぬいて、手を進める選択。

これが功を奏した。
タンヤオの1000点をアガリきって、何とか繋ぐ。

仮にもし、を切っていたら、空星の放銃だった。7700以上の、大きな失点につながる所だったのだ。
前に出たからこそ、アガれた1000点。

歯を食いしばって前に出る空星に――

あまりにも厳しい現実が襲い掛かる。
トップ目緑仙がダマでも高目18000のテンパイを、空星の現物待ちで入れると、これを空星が即キャッチ。
12000点を更に失い――

続く１本場。
リーチ者因幡に通ったばかりのを切ると……まさかの緑仙へ再びの12000放銃。

「それは無理……」

東場で40000点あったはずの点棒は、瞬く間に無くなり、ハコ下２万点近くにまで叩き落される。

空星は２本場になんとか3000、6000をツモり、反撃。
これでなんとか３着目因幡の背中を捉える。

が、反撃もここまで。

最後の南４局１本場では、出アガリでも着順が上がるメンホンのリーチを打つも……。

リーチしていなければ使えた、あまりにもタイミングの悪い赤により、更に点棒を減らしての、決着となってしまうのだった。

３着には、因幡はねる。
正直、この高打点ドッカンバトルを、見ているだけで点棒が削られる苦しすぎる展開だった。

それでも南４局は、粘りを見せた。

なんとか３着での逃げ切りを図るのポン。

このカンをツモアガって、のみ５００オールのアガリ！
打点こそ５００オールと低いが、４着目空星との点差を離し、もう一度局のやり直しに成功した。
このアガリがあったからこそ、空星の条件が更にキツくなったと考えれば、価値ある500オールのアガリ。