「麻雀が強くなりたいなら大舞台で泣きながら打て!」多井隆晴プロ(渋谷ABEMAS)特別ロングインタビュー【第4回/全5回】




「麻雀が強くなりたいなら

大舞台で泣きながら打て!」

多井隆晴プロ

特別ロングインタビュー

【第4回/全5回】記事:東川亮

 

全5回でお届けする、多井隆晴プロ、ロングインタビュー企画。第4回では、業界の先頭を走る立場から発せられた、後に続くプロたちへの提言を紹介する。アグレッシブに活動を続ける多井プロだが、後進のプロたちについては思うところもある様子だった。

今の麻雀プロはアピールが足りない

ーー多井プロが外部に向けて麻雀を発信しているというのは、本当に大事なことだと思います。

多井「こうしたことは、ここまでは萩原聖人さんがやってこられていて、それにはすごく感謝しているんですけど、萩原さんはまだ麻雀プロとしては1年目だったわけです。それにおんぶに抱っこじゃ、麻雀プロってなんなんだ、ってことですよ。麻雀プロの中から、萩原さんに負けないくらいの影響力のあるプロが出てこないといけないと思います。Mリーグも各チームに1人女性が入らなければいけないというルールができたように、麻雀界はまだまだ女性に頼らなければいけないところもあるんです。我々男性プロはそういう未熟なところを受け入れなければいけないですし、でもいつまでもそれではいけないので、僕が萩原さんのされている苦労を半分でも担えればいいと思います」

ーー多井プロのようなキャラクターの方は唯一無二だと思いますけど、他のジャンルで名前を売るような男子プロが出てくるといいですね。

多井「そうなったらうれしいですよね。お笑いとか歌とか、小説とか、絵を描く、映画を撮る、なんでもいいと思います。ただ、それもあくまで麻雀がしっかりしていないと意味がないんです。しっかり麻雀をやって結果を残して、Aリーガー2人でコント番組に出るとか、そういうのが面白いじゃないですか。何でもいいので、そうして自分をアピールしていけばいいのに、って思います。特に若手は、僕が10努力しなければいけないところを1、2で済むわけですから、もったいないですよね」

ーー芸能人の方はセルフプロデュースの達人ですから、そういう方と接することで、よりその思いも強くなったのでは。

多井「それはありますね。タレントの倉持由香さん、20代でタワーマンションを買われたじゃないですか。僕はああいう子はすごいと思いますし、見習わなくちゃいけないと思います。そういう野心が、麻雀プロには足りないと思います。逆に僕はいろいろな人に「仕事ください!」って言っていて、「多井はいまだに必死だな」って言われるくらいですけどね」

麻雀を強くなる方法は、麻雀だけじゃない

ーーそうして自分をアピール、プロデュースすることは、自分の実力以上の舞台で打つことにもつながりそうですね。

多井「そうなんですよ。麻雀って舞台によって違っていて、Mリーグや麻雀最強戦のファイナルとか、ああいう舞台で1半荘打つことが、ちまたで1年間打つよりも濃縮されているというか、メチャクチャ経験になるんです。そういう高いフィールド、ステージに立つことが自分の実力向上にもなるので、結局アピールしなきゃいけないわけですよ。麻雀が本当に強くなりたいなら強くなりたいでいいんですけど、強くなる方法は別に麻雀の方法だけじゃないと思っているので。

麻雀が強くなりたかったら、「何切る」を勉強するんじゃなくて、そのすごく高いフィールドに行くことが大事だと思います。今、女流プロがMリーガーに5人いて、また新しく何人か入りましたけど、その女流プロたちは、2、3年もすれば、他の女流よりもずっと強くなると思っています。

大きい舞台で経験するということを軽く考えない方がいいんですよね。Mリーグのレベルが低いだの、最強戦なんて一発勝負だからと言っている人がいますけど、やかましいと。「君らがあそこに行ったときは何もできんで終わるぞ、あの凝縮された半荘1回を一度味わってみろ」と思います。僕なんか、泣きながら打っていましたからね」

第5回へつづく

 

東川亮(ひがしかわ りょう)
赤入り麻雀、東天紅(三人麻雀)などを愛する、さいたま市在住の麻雀ファン。本業はフリーのライター。飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」にて、オーナーである麻雀解説者・梶本琢程氏との接点が生まれ、その縁をきっかけとしてキンマWebにてライター活動を開始した。Twitter:https://twitter.com/higashi_mahjong (麻雀用アカウント)