苦境も友だちの応援でなんとかなりました
明けましておめでとうございます。もちろん、原稿を書いているのは年末ですけどね。
私の場合、例年、クリスマスから年圧年始は、雀荘で働きづめ、麻雀漬けです。
この時期は働けるスタッフが減るので、穴埋めでシフトに出たり、閉まっている店のガードマンをやったりです。泥棒にとっては、正月は人が少ないので、仕事がやりやすいんだそうです。
年越しそばは、毎年駅前の立ち食いそばです。個人的には、ここ数年ツラいこともありましたが、なんとか一年を無事に過ごせたことに、誰にともなく感謝しています。
数年前には腎臓ガンだと宣告されたり(誤診)、そのあと税務署に急襲されたり、一部の店が倒産したり、人間関係がうまく行かなかったり、体調不良とか脳内に鬱汁が大目に出たりとか。
そういう時に助けられたのが、やらざるを得ない目の前の仕事と、仕事仲間や友だちの応援です。
「税務署なら、いっしょに乗り込んでやろうか?」
「運転資金なら、いつでも貸すよ」
などです。
「いっしょに乗り込んでやろうか?」と言ってくれたうちの一人は、私の高校時代からの友だちです。
税金問題で、ある時顧問税理士に言われました。
「山崎さん、税務署もある程度譲歩してますから、ここらへんが落としどころじゃないでしょうかね」
「分かりました、返事はもう少し待ってください」
その話を友だちに相談したら即答されました。
「山崎、落としどころって言うのは、税務署の言いなりになることだぞ」
さすが長い付き合いがあり、本人も税金ですごく苦労している経験がある男です。
話は私たちが通っていた高校の、卒業式の前日にさかのぼります。
私たち卒業生は学校に対するいくつかの要求があったので、私が卒業生を代表して、校長と交渉することになりました。
校長室に向かう私に、多くの仲間がついてきてくれて、口々に応援してくれました。
「がんばれ、俺たちがついちょる」
「頼むで」
校長と私の2人だけの交渉は深夜まで長引いて、とうとう卒業式の当日になってしまいました。
交渉がまとまって、私が校長室を出た時に、あれほどいた仲間のうちで、たった一人待ってくれていたのがその男でした。
若い頃の信頼が、今も続いているのは嬉しいことです。
こうした仲間の応援もあって、税務調査から3年目になる今も、毎月税務署に出頭して、支払金額や支払方法について、相談と要求を続けています。
「税務署に逆らうと、報復されますよ」
と心配してくれる人もいますが、とっくに痛い目に遭ってるので、だじょうぶです。
この一年で何かやりとげてみよう
ツラい時にまわりの友だちに助けられましたが、自分がお気に入りの箴言・名言も生活の指針になりました。
みなさんも、自分の合った人生の指針があると思います。私のお気に入りのひとつは、マハトマ・ガンジーの次の言葉です。
「明日死ぬと思って生きなさい。永久に生きると思って学びなさい」
もっともこれがガンジーの言葉だと知ったのは、帰国子女のたぬの女子クルーに教えてもらったから。しかも私は後半だけしか知りませんでした。
会社の規模にかかわらず、経営者にはピーター・ドラッカーの信奉者が多いんですが、私もファンです。
ドラッカーはマネジメントの父と呼ばれますが、なんと言っても
「従業員はコストではなく、資産である」という言葉が、世界中の経営者の心をうちました。
前回紹介した、渥美俊一先生は具体的です。
「労働分配率のあるべき目標を達成したら、それを維持しなさい」
労働分配率というのは、仕事の付加価値高(生産高)に占める人件費のこと。つまり、目標以上稼いだら、それは従業員に配当しなさい、ということです。それができない私は、自分でもふがいないと思います。
私が経営している店では、従業員に対するささやかな学習支援を試みています。
原付免許合格や英語のTOEICなどで、一定基準をクリアすると、受験料相当のミニボーナスが支給されます。
TOEICは450点クリア、その後150点刻みでそのたびに出ます。他にITパスポート試験、電気工事士、ボイラー技士など、本人が事前に申告すれば、たいていのものがOKです。
「親方、資格と取ると時給が上がるんですか?」「それは別問題」
「自動車免許は二十万円以上かかるのに、たったの五千円ですか?」「一発受験なら三万円らしいよ」
世間はそんなに甘く無いのだ。
私は去年の正月に受けたTOIECは450点に少し足りませんでした。今年はクリアしたいと思ってます。
私のように還暦を過ぎてからの外国語学習は、若者に比べると大きいハンディがあります。