勝又サービスセンター、休業!?
アシストせずの「真意」と
そこに潜む「野望」
文・渡邉浩史郎【金曜担当ライター】2023年4月14日
第1試合
東家:高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
南家:勝又健志(EX風林火山)
西家:内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)
北家:本田朋広(TEAM RAIDEN / 雷電)
「昔はよく利用していたあのお店。最近行ってないな……」
久しぶりに行こうと調べてみたら、そこには閉店の文字が。
皆さんにもそんな経験があるだろう。
しかし昨日まで、いや、さっきまでいつも通り営業していたお店が突如閉店状態にというのはそうそう経験しないだろう。
この日、内川が経験したのはそんな不思議な事件。
【東1局】から絶好調の男がいた。
勝又である。親の高宮のリーチを受けて、単騎の聴牌からドラ跨ぎの裏筋を切り飛ばす。
注目すべきは高宮の切りリーチ、を切ってからの7ターツ落とし、その後多くのツモ切りを挟んでの場に安全でない切り。
は確実に手牌に関連しているといえよう。よくあるケースは
・
・暗刻
このふたつ。
のケースであれば待ち、もしくはが埋まった別の待ちのどちらか。
暗刻からアタマにしたケースであれば、他にもう一つ暗刻があることが多そうだ。
というアタマを作りやすい形から5巡目にを切っていることになるので、その時点で別のアタマが確定していそう。切りのところでそのアタマが暗刻になったと読むことができる。
勝又は河に見えている情報からマンズの下、ドラのあたりが暗刻と読んだ。
それならばこのドラの跨ぎのは切ることができる。
上記の読みを踏まえたうえで一番大事なのは自身が聴牌であり、親の高宮には通っている筋がそう多くないこと。
勝又からすれば、「ベタオリよりは読みで通せそうな分だけまし」程度のプッシュであろう。
これをほぼノータイムでやってのけるあたり、セミファイナルになっても軍師勝又ここにありといったところだろうか。
同卓者の内川も当然この勝又の押しを見届けている。
「勝又さん今日も平常運転ですね」
その後勝又が平常運転そのままに、5200、12000、5200と加点。
オーラスを迎えた時点で他を大きく突き放したトップ目に立つ。
【南4局】
二着目の内川。トップは遠い一方で、三着目の高宮は1700点差、4着目の本田も親で6900点差と危険水域。ここはなんとか二着死守と行きたいところ。
幸運なことに……
勝又の下家!前巡安全牌のを切って目一杯にしたことで、見事タンヤオに手替わり。
これでいつでも勝又サービスセンターの恩恵を受けられる!
しかし先に勝又サービスセンターの恩恵を受けたのは高宮。ダブの仕掛けは内川を捲る無条件だ。
次巡にはドラもツモ切られる。
しかしこれは内川には僥倖。自身がタンヤオ仕掛けで発進したときに、ドラ対子以上が薄いことが勝又に伝わる。素点を減らすのは嫌な勝又からのアシストをさらに受けやすくなる。