狂気ノ沙汰ホド・オモシロイデス【Mリーグ2021-22観戦記3／25】担当記者：越野智紀

狂気ノ沙汰ホド・

オモシロイデス

文・越野智紀【金曜担当ライター】2022年3月25日

【第2試合】

東家：多井隆晴（渋谷ABEMAS）
南家：佐々木寿人（KONAMI麻雀格闘倶楽部）
西家：茅森早香（セガサミーフェニックス）
北家：小林剛（U-NEXT Pirates）

Mリーグ2021（3/25第2試合）

レギュラーシーズンを１位で突破した海賊団U-NEXT Piratesは、二度目の優勝を目指して万全な状態でセミファイナルに進出したはずでしたが、

安全な航路など用意されていないのがMリーグ。

５戦が終わって全逆連対とセミファイナルに持ち込んだ200近い貯金を全て使い切り、チームは一気に５位まで転落となりました。

Piratesはファイナル進出を逃すと来期『１名以上の選手の入れ替え義務』が発生するため、ここでは絶対に負けるわけにはいきません。

この絶対に負けられないという重圧は人の判断を誤らせる要因ともなりえるのですが、

そこで登場するのが麻雀サイボーグこと小林剛選手。

２年前にレギュラーシーズン敗退の危機に瀕したチーム最終日の試合の際も、トップを奪って翌日の他チームの結果待ちに持ち込み

「遂に最終戦まできて面白い点差になりましたね。視聴者も打っているほうも、これぐらいの緊張感も楽しめるようにならないとね」

そう笑いながら答えて強心臓（モーター？）ぶりを見せていたので、大一番には最適の選手と言えます。

その小林選手らしい判断が見れたのは東４局。

多井選手の２巡目リーチを受け、降りるのは難しいと判断するとを暗カンしてまずは攻撃重視の選択。

その後と引きを切ってカン待ち上等の構えに受けますが、茅森選手のポンチーの仕掛けを見て小林選手は当初の予定を変更します。

平均打点１位の茅森選手がリーチと親の暗カンに挟まれた中で二副露したとあれば、ドラのがトイツ以上で入っている可能性は高そうです。

ここでカン待ちでの勝負は分が悪いと判断し、押し引きのバランスの軌道修正をしました。

それでもかが重なれば反撃の一手だったのですが、引いたのは微妙な。

１巡前の「ガンガンいこうぜ」状態なら切りで「石橋やろうぜ」なら切りリーチのところ、「待ちを大事に」に作戦が変更されていたため

切りでテンパイ取らずとなりました。

最初の暗カンした時のテンションを引きずって攻撃的な選択をとってしまう人が多い中、すぐにクールダウンする小林選手。

冷却性能が非常に高いマシンです。

一度は荒波を迂回した小林選手でしたが、海に眠っていそうなお宝を発見。

リスクにリターンが見合うと判断した瞬間に躊躇わず勝負でリーチをかけました。

これを先制リーチの多井選手から討ち取り、カンドラで乗ったがカン裏にも乗って18,000。

セミファイナルでのチーム初トップに大きく前進するアガリとなりました。

次局は茅森選手のポンに対し、赤赤の小林選手はを切って応戦。

その後、のポンが入り状況が悪化すると、やや受け寄りに路線変更。

この手からをポンをされるとマンズの形が苦しくて戦えず、を残すと将来手詰まりしかねないので先に処理します。

チートイツ中心の手作りで、が安全牌になればタンヤオに移行するかもしれません。

こので攻撃意欲が激減。

ここから茅森選手にポンをされるとアガリに直結しそうで、あたりは切りづらい。

ここでピンズを消費すると多井選手が攻めてきた時に手詰まるので切り。

さらにマンズがきて、は寿人選手の現物なので切り。

チートイツの形も残っていますが、実質ベタ降りが始まりました。

多井選手から、寿人選手からが出て茅森選手にチー。