Mリーグドラフト2021、KONAMI麻雀格闘倶楽部はどんな選手を獲得する? KONAMI麻雀格闘倶楽部・直撃インタビュー
Mリーグ・KONAMI麻雀格闘倶楽部は2020シーズンのオフにおいて、リーグでは初めてとなる選手との契約満了を決断、選手の入れ替えをすることとなった。新たな戦力を求めるにあたってどのような思いがあるのか、そしてどんな選手を獲得しようとしているのか。チーム運営担当者にお話を伺った。
-今回、KONAMI麻雀格闘倶楽部は既存2選手との契約を満了しました。どのような経緯で、今回の決断に踏み切られたのでしょうか。
我々はMリーグで3シーズン戦い、一度も賞金圏内の3位入賞ができていませんでした。プロスポーツチームとしての我々自身の取り組みとしても、応援してくださるファンの皆様のことを考えても、それは到底許されるものではありません。何かを変えなければいけないというところから、今回の選手構成変更を決断しました。
そしてメンバーを考えたとき、佐々木寿人選手は2020シーズンでMVPの活躍をしているエースであり、チームとして彼を欠く選択肢はありません。ただ、ウィークポイントなのかたまたまの結果なのかは分かりませんが、寿人選手はポストシーズンでは成績を残せていません。そこを補える選手が誰かと考えた際、高宮まり選手がポストシーズンで好成績を残していたので、この2人を軸にチームを再構築することに決めました。前原雄大選手、藤崎智選手は、麻雀のことはもちろん、ファンの大切さなど、あらゆることをチームに教えてくださった選手たちです。その二人に契約満了を告げるのは、断腸の思いでした。
-では、ドラフトについてお伺いします。まず、KONAMI麻雀格闘倶楽部は今回、3人目の獲得は必須で、4人目の選手獲得は任意となります。ドラフトで、4人目の選手は獲りますか。
獲ります。このご時世もありますし、選手のみなさんはMリーグ以外でもいろいろとお忙しい部分があって当然だと思います。それを考えたとき、3人体制より4人体制の方が柔軟な対応ができますし、選手の調子を見ながら起用を考えてシーズンを戦っていけると思っています。
-KONAMI麻雀格闘倶楽部は、同名のゲームに由来するチームです。獲る選手はやはり「麻雀格闘倶楽部」に出ている選手、すなわち日本プロ麻雀連盟の選手になるのでしょうか。
はい、選手獲得においてはもちろん、日本プロ麻雀連盟さんから優先的に候補者を検討しています。ただ、麻雀格闘倶楽部に出ているかどうかは、必須条件ではありません。他団体の選手は、基本的には考えていません。
-獲得する選手については実績豊富な選手になるのか、実績はないけど若くてこれからの選手を獲るのか、また男性・女性のバランス、そしてKONAMI麻雀格闘倶楽部はすごく攻撃的なチームだと思いますが、その辺りを重視した選考になるのか、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。
何か一つの要件で選手選定を決めるわけではないのですが、もちろんチームの方針、攻撃的な麻雀を打つことは軸ではあります。その上で、Mリーグルールに対する期待値も考えます。日本プロ麻雀連盟の公式ルール(赤なし、一発裏なしなど)とMリーグのルールは違うので、公式ルールの実績だけで選ぶことはないようにしています。あとは寿人選手や高宮選手ときちんと連携できる人、それは仲がいい人という意味ではなくて、きちんと自分の状態を言葉で説明できるとか、必要最低限のコミュニケーション能力については考慮します。そしてファンあってのMリーグですので、ファンのみなさまに対してきちんと発信できる力がある、ということもとても重要なポイントです。それと年齢面についてですが、少しは若返る方向で検討をしています。寿人選手と同世代か、もう少し下くらいの世代の選手を候補として検討しています。また、実際にどの選手が指名できるかはドラフトになってみないと分からないのですが、男女比率は2:2も面白いかな、と個人的には思っています。
-麻雀格闘倶楽部と言えば、先日、元乃木坂46の中田花奈プロの参戦が発表されました。ずばり、候補には入っていますか。
もちろんです。非常に発信力の高い方ですし、麻雀という競技だけでなく、ご自身のお店をオープンされるなど、麻雀の世界を盛り上げることにも本当に真剣に取り組んでいらっしゃるのはよく伝わってきていますので、そういった方が候補にいないのはあり得ないと思っています。
-他チームで契約満了になった和久津晶選手、滝沢和典選手はどの程度選択肢に入っていますか。
お二人とも実力者だと思っていますし、発信力があることも当然分かっています。Mリーグルールに対するフィット感もある程度の結果が出ているお二人だと思います。しいて言えば、特に滝沢選手に関しては、これまで結果を残されている選手ですので、チャンスがあれば指名できたらとは思っています。
-候補はどのくらいまで絞り込めていますか。
全部で5人くらいです。年齢、キャリアみたいなところはこれまでお話しした範囲の内にあると思います。ただ、誰を獲るかはさすがに言えません。
-今回の選手選考において、選手の声やファンの声はある程度取り入れて考えられたのでしょうか、それともチーム側である程度絞ったのでしょうか。
寿人選手、高宮選手が指名候補の方の麻雀や人柄をどのように見ているかは、当然ヒアリングします。ただ、その声だけで決まることはありません。そこはチームが責任を持って最終決定をするべきだと考えています。それと、ファンの方々の声も重要です。ファンから応援してもらえる選手であることはすごく重要なポイントで、選手個人が活動する上で努力していくのは大事ですけど、そこには天性のものもあるかもしれません。そういった応援の声が大きい方は、指名の優先度は必然的に上がります。その意味では、ファンの方々がSNSなどでいろいろなコメントをされているのは、よく見て参考にはさせていただいています。
-今シーズンのオフの話題として、EX風林火山のオーディションが非常に注目され、配信対局もたくさんありました。そこで気になったプロを候補に挙げた、ということもあったのでしょうか。
順番で言うと、我々が先に検討していた候補の中で、あの場で活躍された方はいらっしゃいました。その意味では実際の麻雀の内容はもちろん、インタビューなどメディアからの取材、SNSでの発信、そういったところはとても参考にさせてもらった、というのは正直なところです。キンマwebさんの記事もたくさん読ませていただきました。僕らからしたらとても参考になる資料で、すごくありがたかったです。
-最後に、KONAMI麻雀格闘倶楽部ファンの方へのメッセージをいただけますか。
いつもすごくたくさん応援をいただいていて、その声は何よりも励みになっています。特にオフィシャルサポーターとして応援してくださっている方々は、パブリックビューイングなどがなかなか開催できない今の環境下でも応援してくださっていて、本当にただただありがたく、力の源になっています。
このオフシーズン、我々が2名の選手契約満了を決断した部分について、たくさんの賛否の声をいただきました。契約満了の判断をしたのはMリーグで我々が初、しかも2人というのは、チームにとって勇気のいる決断でした。その中で、ファンのみなさんから非常に多くのご意見やご見解をいただけ、とても勇気づけられました。今回のドラフトを通じて新たな戦力を獲得し、しっかりと結果を出して、応援してくださっている方々の期待に応えるというのは、来シーズンの我々が掲げる最大の目標となります。ぜひ、今後とも応援のほどをよろしくお願いいたします。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。