Mリーグweeklyダイジェスト
2023年 2月20日〜 2月24日
大和証券Mリーグ2022-23シーズンは、いよいよ残り試合数が20を切り、1戦の持つ意味が大きくなってきた。そしてこの週は2月23日に、5位から8位までのチームによる直接対決があり、大きな注目を集めた。
■2月20日(月)
対戦カード:EX風林火山・渋谷ABEMAS・セガサミーフェニックス・TEAM雷電
第1試合
瀬戸熊が快勝。強気かつ巧みな攻めが決まって自身が加点をするとともに相手の勝負手をつぶしながら試合を進め、自身連勝を飾った。オーラスでは4着目だった魚谷が白鳥から直撃を取ることに成功、順位を上げて試合を終えている。
1位 瀬戸熊直樹(TEAM雷電)+56.6
2位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)+9.0
3位 魚谷侑未(セガサミーフェニックス)▲20.3
4位 白鳥翔(渋谷ABEMAS)▲45.3
【観戦記】
雷電は攻めて勝つ! 暴君・瀬戸熊直樹が掲げた反撃の狼煙(江崎しんのすけ)
第2試合
東3局、茅森がリーチ一発ツモリャンペーコーというレアなアガリによるハネ満を決めると、さらにもう一発ハネ満を決める。最後は僅差での競り合いを制し、トップを獲得した。
1位 茅森早香(セガサミーフェニックス)+57.8
2位 二階堂亜樹(EX風林火山)+10.5
3位 松本吉弘(渋谷ABEMAS)▲18.5
4位 萩原聖人(TEAM雷電)▲49.8
【観戦記】
跳満女王復活! 茅森早香、出血大サービスの「一日二跳」(徳岡明信)
■2月21日(火)
対戦カード:赤坂ドリブンズ・KADOKAWAサクラナイツ・KONAMI麻雀格闘倶楽部・U-NEXT Pirates
第1試合
接戦で迎えた南3局で、親の岡田がハネ満をツモって大きく抜け出し、そのままトップを獲得。次局には逆転を狙う村上と優の大物手がぶつかると、優が村上から直撃する形で決着。村上は3着で試合を終えた。
1位 岡田紗佳(KADOKAWAサクラナイツ)+72.2
2位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+2.4
3位 村上淳(赤坂ドリブンズ)▲24.9
4位 鈴木優(U-NEXT Pirates)▲49.7
【観戦記】
村上先輩、その【5S】はロンです 鈴木優に非情の世界を垣間見る(ZERO / 沖中祐也)
第2試合
トップを走っていた内川が南3局でたろうに痛恨の満貫を放銃してしまうも、オーラスでは巧みな手順からトイトイをアガりきってたろうを再逆転。チームのデイリーダブルを決めた。Mリーグ初の連闘となった優は3着、1日を通じて厳しい結果となった。
1位 内川幸太郎(KADOKAWAサクラナイツ)+52.8
2位 鈴木たろう(赤坂ドリブンズ)+11.2
3位 鈴木優(U-NEXT Pirates)▲15.4
4位 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)▲48.6
【観戦記】
上だけを見たサクラナイツのノブレスオブリージュ(越野智紀)
■2月23日(木)
対戦カード: 赤坂ドリブンズ・KADOKAWAサクラナイツ・セガサミーフェニックス・TEAM雷電
第1試合
5位から8位の直接対決となった、注目の1日の初戦。園田と近藤が激しくトップを争い、南3局の満貫で園田がトップ目に立つと、オーラスでは近藤が逆転を狙ってのリーチをかけるも親の堀に放銃。そして最終局は園田が堀から役満・国士無双をアガり、大きなトップを獲得した。
1位 園田賢(赤坂ドリブンズ)+104.1
2位 近藤誠一(セガサミーフェニックス)▲5.9
3位 黒沢咲(TEAM雷電)▲26.4
4位 堀慎吾(KADOKAWAサクラナイツ)▲83.6
【観戦記】
俺達はまだ終わっちゃいない!荒れ果てた土地と応援する者の心に園田賢が咲かせた花の名は、“国士無双”(ゆうせー)
第2試合
序盤から一進一退の攻防が続く中で、村上が東場で作ったリードを最後まで守り切ってトップを獲得、8位のドリブンズがデイリーダブルを達成し、セミファイナル進出へ希望をつないだ。3着目でオーラスを迎えた本田はトップが狙える点数状況でも無理はせず、確実に2着で試合を終わらせている。
1位 村上淳(赤坂ドリブンズ)+52.3
2位 本田朋広(TEAM雷電)+9.1
3位 渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)▲16.2
4位 茅森早香(セガサミーフェニックス)▲45.2
【観戦記】
手牌と思惑の嵐の中で 村上淳がつなぎ照らした一筋の光(東川亮)
■2月24日(金)
対戦カード: EX風林火山・KONAMI麻雀格闘倶楽部・渋谷ABEMAS・U-NEXT Pirates
第1試合
東1局、松ヶ瀬が国士無双をテンパイするも、瑞原のアガリで役満成就はならず。その後は日向が親番で大きく加点、それを寿人が追う展開に。最後は寿人が裏ドラ次第で逆転というアガリを決めるも乗らず、日向が僅差で逃げ切ってトップを獲得した。
1位 日向藍子(渋谷ABEMAS)+67.5
2位 佐々木寿人(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+26.1
3位 松ヶ瀬隆弥(EX風林火山)▲32.5
4位 瑞原明奈(U-NEXT Pirates)▲31.1
【観戦記】
「攻めダルマ」から「魔王」へ、そして……佐々木寿人が魅せた「次なる異名」(渡邉浩史郎)
第2試合
勝又がリードして試合を進めていたが、オーラスに大チャンス手をもらった滝沢がしっかりとものにして満貫をアガり、逆転。最後は多井が3着確定のアガリで素点を回復して試合を終わらせた。パイレーツは瑞原、小林で痛恨の連続箱ラスとなってしまっている。
1位 滝沢和典(KONAMI麻雀格闘倶楽部)+64.1
2位 勝又健志(EX風林火山)+19.1
3位 多井隆晴(渋谷ABEMAS)▲19.1
4位 小林剛(U-NEXT Pirates)▲64.1
【観戦記】
最速最強にだけ見えた世界 多井隆晴が描いた 理想のシナリオ(後藤哲冶)
■ピックアップMリーグ
千両役者、内川幸太郎 桜花乱舞の剣劇──!【須田良規のMリーグ2022-23セレクト・2月21日】
2月21日の対局でトップを獲得した内川幸太郎の、局を進めるゲームメイク、逆転条件をクリアする手組みなどについて触れられている。
河野直也が選ぶ『Mリーガー究極の決断』〜ファンがくれた勇気〜内川幸太郎編
2月13日の対局で内川が見せた、アガリにはつながらずとも勝利につながる打牌が紹介されている。
■2/20-2/24の結果
週の勝ち頭はドリブンズ。2月23日の天王山でのデイリーダブルで150ポイント以上を稼ぎ、5位以下との差を一気に詰めた。また、パイレーツはおよそ190ポイントを減らす厳しい結果に。渋谷ABEMASとともにマイナス圏に落ち、プラスが2チーム、マイナスが6チームと、上位と下位がハッキリ分かれている。
■2/27-3/3の注目ポイント
レギュラーシーズンも残り14試合と少なくなり、いよいよ運命の3月を迎える。前週の結果を見ると、瀬戸熊や岡田、村上、滝沢と、厳しいシーズンを送っていた選手たちがトップを取っており、こうした選手たちの活躍が上位進出には欠かせないだろう。そして、試合数が少なくなるにつれて、個人タイトルの行方も気になるところだ。上位陣に変動はあるのか、そして黒沢咲の112700点というMリーグレコードは、果たして更新されるのか。
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。