ただし、序盤の負債を返済するには至らず。
一方で、セミファイナルに関してはいいときに取材ができました。
チームとしてもある程度ポジションを確保しており、途中からはファイナルを見据えていた印象があります。
肝心の取材についてですが、自分の雀力はプロの方には到底及びません。
その中で、時には見当違いな質問をしてしまったこともありましたが、本には普遍的で多くの打ち手が使える内容を盛り込めたと思っています。
また当然ですが、選手は勝ったときには気分が上がり、負けたときは落ち込むもの。
結果的にではありますが、シーズン当初の取材日はいつも負けていたので、取材については僕が勝手にやりにくさを感じることもありました。
しかし選手のみなさんはどんなときも非常に真摯に対応してくださり、特に多井さんは、惜しみなく、そして分かりやすく、ご自身の考えを披露してくださいました。
多井さんの話を聞いていて総じて感じたのは、「多井隆晴の麻雀はまだまだ底が知れない」ということです。
考えの全てを本にしようと思えば、広辞苑くらいの分厚さでも足りるのかどうか。
ただ、本の中ではMリーグで実際にあった場面について紹介しているので、今シーズンのMリーグを見てきた方であれば、イメージしやすいものもたくさんあるはずです。
読むだけでなく、ぜひ実戦で使ってみていただければと思います。
僕は元々Mリーグに関して、特定の推しチームを作らない「箱推し」というスタイルで楽しんでいました。
しかし2019シーズンはもちろん渋谷ABEMASを応援しており、セミファイナル、ファイナルと進出してくれたことは、(本のネタ集めのこともあり)非常に喜ばしく思っております。
ファイナルは新型コロナウイルス感染症の影響で延期になっていましたが、6/15(月)から開催されることが発表されました。
そこでは間違いなく、濃密で劇的な戦いが繰り広げられるでしょう。
そして多井さんや渋谷ABEMASの選手が、本に書かれているような技や戦術、さらにはそれらを応用した新たな戦い方も見せてくれるはずです。
ファイナル観戦のお供に、ぜひ「必勝!麻雀実戦対局問題集」をお買い求めくださいませ。
最後に、お世話になった多井隆晴選手をはじめ、取材にご協力くださった渋谷ABEMASの白鳥翔選手、松本吉弘選手、日向藍子選手、そして森マネージャーに、この場を借りて御礼を申し上げます。
ありがとうございました。
『必勝!麻雀実戦対局問題集』 構成・東川亮
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。