熱論!Mリーグ【Mon】
希望の灯火は消さない!
胸が張り裂けそうな
鬼気迫る滝沢和典の闘牌
文・山﨑和也【月曜担当ライター】2020年2月24日
遠山「Mリーグを見てよかったと思うよ。麻雀観戦という趣味ができたし、会社が終わってからの楽しみが増えた。何をやっているかよくわからないけど、Mリーガーたちの表情を見ていると胸がわくわくするんだよ」
高野「編集長みたいな人は増えているみたいですよ。でもMリーグが終わっちゃったらどうするんですか。ちょっと期間空いちゃいますけど」
遠山「今度、麻雀の教室に行ってみようと思う」
今シーズン、終盤の山場を迎えている。今回はなんと下位に沈む4チーム同士の直接対決だ。チームの命運が懸かっているため、絶対に負けられない戦いとなっている。
EX風林火山はトップを取らないといよいよ厳しい。赤坂ドリブンズも渋谷ABEMASまで近づいてきており、6位が見えてきた。ABEMASとU-NEXT Piratesはここで崩れると危ない。ここまで安全圏にいたのに、残り10試合を切ってから落ちるのではやりきれない。
1戦目を戦う選手はこの4人。勝負どころとあって、各チーム「この選手で負けたら仕方がない」といった面々だ。
1戦目
西家 朝倉康心(U-NEXTパイレーツ)
東1局からピリピリとしたムードがあった。滝沢は東場の親番を迎えているのだが終盤までなかなかテンパイが入らない。まだ南場もあるとはいえ、親を落とすことがそのまま負けにつながってしまうかのような雰囲気を感じた。
手にしたをツモ切り。しばらくイーシャンテンが続いている。
巡目が進んでを持ってきた。周りの状況はともかく、テンパイがしやすい格好を目指したい。何を切るのが一番広いだろうか。
滝沢は打を選択した。終盤の煮詰まった状況でドラを出すのは怖いが、もうそうもいっていられない状況である。
テンパイだった朝倉がを掴んだ。
親の滝沢からが手の内から出たため、
その周辺であるは少し怖い。
小考の末にここは勝負した。
これをすかさずポン。
打でなんとか形式テンパイをもぎ取った。滝沢は連荘で望みをつなぐ。
何気ないシーンのようだが、これが点数に余裕があって、無理する必要のない状況であれば、また違った展開になっていたかもしれない。この4人は妥協が許されなかった。全体を通して常にオーラスで僅差のような緊張感があった。
東1局1本場は多井がアガって滝沢の親を落としたのだが、上図を見てみるとその気概が感じられる。安全牌の字牌を持たず、少年の瞳のようにまっすぐ駆け走っているのだ。
僅かな裏目も逃すまいと。
東2局。朝倉に早々と単騎待ちのテンパイが入り、よさそうな待ちを探していたところ。手にしたを採用した。直前にが出ているのに鳴かれていないということは、周りに持たれていない可能性が高い。
厳しい状況の滝沢。タンヤオ系の手でまとまっており、を掴んだら出してしまいそうだ。
現物や筋を頼りに、極端に形を崩さずに粘る。
なかなかが顔を出さない状況で、多井の手が進んだ。
を切って待ちのリーチ。
ここが勝負と見た。多井といえば手堅い守備に定評があるが、何でもすごすごオリているわけではない。
すると滝沢にも待望のテンパイが入る。
待ちで、なら高目で満貫だ。
ただ、が多井の手に暗刻。
欲しいは山に1枚しかなかった。