“終盤勝負のマーメイド”魚谷侑未は、石橋渾身の仕掛けを打ち破れるのか!?【熱論!Mリーグ/FS初日】担当記者:ゆうせー

だ。これは石橋に通っていないのもあるが、先のと違って、を引いたらを打たなくて済むという面もある。魚谷ははキープする道を選んで打とした。

ツモ切りが続く石橋。

なかなかテンパイしない魚谷。

内川は石橋に比較的通りそうなこそ切ったものの、そのあとは一牌も押していない。

白鳥は受けに回っている気配だ。

魚谷が次に持ってきた牌は、

ここで魚谷は思案の海に潜る。

20秒後に切った牌は、

だ!いったん迂回した!

その理由は、を切って以降手が変わっていない石橋がテンパイしていたならば、魚谷から見た待ちの候補がかなり絞られたからだ。

【石橋の河】

魚谷視点で考えると、魚谷が残りのドラであるを持っているため、石橋がからわざとを切って、それでいてハネマンの打点をキープ出来る可能性が低い。

(を切ってのリャンメンで待つと、ハネマンが満貫にさがってしまうケースが多い)。

そのためを使ったリャンメン待ちはないと仮定する。

切りの直前に上家の魚谷が切った切りのあとに魚谷が切ったと内川が切ったを除くと、

①マンズ…をポンしているリャンメンのシャンポンか単騎、のシャンポンか単騎、のシャンポンか単騎

②ピンズ…のシャンポンか単騎

③ソウズ…はリャンメンも愚形もある 待ちのカンチャンかシャンポンか単騎

④字牌…役牌の

石橋の待ちの候補はこのあたりとなる。このうち、ピンズやマンズは愚形パターンが多いので当たる可能性が低く、本線はソウズと字牌ということになろう。

魚谷は、だけならともかく、そのあとに字牌のも打つことになったため、ここで一歩後退する決意をしたのではないだろうか。さらには、ここでやや通りそうなを切っても、テンパイまでに他の危険牌をつかむ可能性もある。

さて、

次に映った石橋の手牌は、

…なんということだろう。

手がバラバラだった石橋は、この手をブラフにしようと決めて、打ち出されたドラをポンしたうえ、意図的にを河に並べたのだった。

の効果は他家に「もうテンパイしているかもしれない」と思わせるだけにとどまらない。ピンズを「通りやすく」することによって、他の色や字牌の危険度を相対的にあげるのも狙いの一つだ。

石橋がを切った時点に巻き戻るが、

(石橋はをポン打)

ここでの石橋の危険牌候補は、

①マンズ…をポンしているリャンメンのシャンポンか単騎、のカンチャンかシャンポンか単騎、のシャンポンか単騎、のシャンポンか単騎

②ピンズ…のシャンポンか単騎

③ソウズ…待ちの愚形(は魚谷が直前に切っている)

④字牌…役牌の

だ。繰り返すが、この候補の中でをポンして真ん中が寸断されているマンズや、を切っているピンズは「当たり得るけれど、あまり当たらないだろうな」と“読まれる”だろう。

その分、ソウズと字牌の危険度が上がることになる。

石橋は、を切ってピンズを通りやすくすることによって危険牌のレンジを変えて、ソウズと字牌への警戒レベルを引き上げたのだった。

そして石橋は徹底して字牌を打ち出さない。

字牌は使いにくく、とめてしまうと手を組むのは至難の業だ。

実際にこのとき、

内川はが打ちづらい。

白鳥もがお荷物だ。

そして、魚谷もを引いて先ほど一手戻してしまった。

石橋の幻術めいた仕掛けが決まったかに見えた。

しかし、

魚谷侑未はあきらめなかった。

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