熱論Mリーグ【FS最終日】
ここで勝たずにいつ勝つよ!?
石橋伸洋が見せた、
比類なき打牌センス!!
”黒いデジタル”の真骨頂!!
文・渡邉浩史郎【火曜担当ライター】2020年6月23日
Mリーグ2019もいよいよ大詰め。今日を終えればこの9ヶ月の戦いも終わり、8チームの頂点に立つチームが決定する。
10戦目を終えたときのスコアがこちら
大雑把に、フェニックスは2半荘で一度でもトップを取れれば優勝。アベマズは1トップとフェニックスより着順が上。パイレーツは2連トップ、サクラナイツは大きなトップ2回が条件だ。
いずれにせよ、どのチームも一戦目トップを取ることが非常に大事であると考えてもらって差し支えないだろう。
そんな注目のファイナル11戦目、対局メンバーはこの4人。
あえて何も言うことはないだろう。始まる前から盛り上がりの熱気は最高潮。至高の闘牌が生まれるのは間違いない。それでは見ていこう。
【東1局】
11回戦は開局から熾烈を極める展開となった。
平常時であればダマテンも視野に入る手だが、首位のフェニックスが親番となれば話は別。
少しでも親の損を大きくするためには、この平和のみでも鉄板のリーチだ。
巡目は進み、内川、近藤、石橋の三者ともが押し返すのに充分な一向聴になる中……
白鳥がツモアガリ!しかも僥倖の!!
瞬間的にではあるがフェニックスにラスを押し付けた。
【東2局】
東一局、まず抜け出したABEMASに続き、この局仕掛けてでたのはパイレーツ石橋。
この形からカンをチー。
いかにもパイレーツらしい、もっと言えば石橋らしいダブバック。
ちなみにこの時河にはが3枚、が2枚、が1枚切れておりの出アガリはかなり望み薄の状態。もちろん石橋もそんな事は百も承知。それでも常に得だと思われる選択を追い続けるのがパイレーツの麻雀だ。
確かに美しくないと感じる人もいるかもしれない。図々しい麻雀と言われるかもしれない。だからこそ石橋に求められるのは結果だ。麻雀プロにとってそれは、カッコイイだけの麻雀を打つよりも余程イバラの道だろう。
数巡後。これが石橋の麻雀の真骨頂だと、そう思わせるようなツモ。
値千金の4000オールでパイレーツがトップに躍り出た。
【東2局1本場】
石橋は今局も攻撃の手を緩めない。
12巡目、白鳥から1500の一本場1800点のアガリ。
【東2局2本場】
この局の先手を取ったのは白鳥。
を両面でチーしてバックの一向聴。打点も赤とドラがあるためなかなかだ。全員がタンピン系の進行をしている河のため、が鳴きやすく、中張牌がネックになりうると考えての仕掛け。やられたらやり返すと言った所だろうか?
しかし先に聴牌したのは内川。対子落としからの打点を見た手組で、タンピン高め一盃口のリーチに仕上げた。
同巡にラス目近藤も追いつく。役無し赤1の手。一旦現物のを切りヤミテンに構える。危険牌を引いた時に逃げる道を残すためと思われたが……
次巡、また次巡と無筋を押していく。これが近藤流の押し引きか。思えば今期のレギュラーシーズンも大活躍だった近藤誠一。独自の正解を導き出す彼の左手に魅了されたMリーグ視聴者の方も多かったのではないだろうか。
内川の両面リーチを躱してこのツモ。まさに不死鳥のようなアガリでラスを脱却する。
【東3局】
この局、注目の手を貰ったのはパイレーツ石橋。
5巡目にこの手形。素直に一向聴を取るなら切り、筒子の伸びを見るなら二向聴戻し。石橋の選択は……