亡霊を振り払った赤5ピン切り! 魔術師・園田賢のカムバック!【Mリーグ2020観戦記10/30】担当記者:真中彰司

ようやく追いついたが、その待ちはの1枚のみ。

対する多井の待ちは残り3枚。

不利な待ちだったが、トップを獲るためにはどうしてもアガリが欲しい…

その執念が多井に最後のを掴ませた。

鉄壁の多井から遂に直撃。

捨て身の鳴きで、突破口を強引にこじ開けた。

 

初勝利まであと一歩という園田だったが…オーラスに試練が訪れる。

 

まずは前原のリーチ。これは問題ない。

しかし、次が問題だった。満貫ツモ条件の多井からも追っかけリーチ!

しかしリーチ棒を出したため、園田は満貫までなら脇に放銃できる。

そんな園田が一発目に持ってきたのは…!!

4枚目の。多井には通っているが、前原には通っていない。

脳裏をよぎるのは、あの日の悪夢。堀慎吾への倍満放銃だ。

 

もしもまた、倍満を放銃したら…

堀慎吾の顔が脳裏にチラつく。園田は疑心暗鬼になっている。

 

しかし、今日の園田はいたって冷静だった。まず、前原はとにかくアガれば3着確保なので、役アリならダマテンにするはずだ。

リーチを打ってきたということは、他に役は無いのだ。あとはドラの枚数を考えればよい。

自分の目からドラのが2枚見えている。

そして多井は満貫ツモ条件のため、ドラ無しでリーチを掛けるとは考えにくい。つまりもう1枚、ドラを持っている可能性が高い。

つまりこので当たっても、リーチ・一発・赤・ドラがせいぜいなのだ。裏ドラ1枚までを許容すれば、放銃しても問題ない。

それでも恐怖は拭えない。万が一、万が一裏ドラが2枚だったら…と悩む園田。

しかし、自分の計算には自信があるはず。自信を持たなきゃしょうがない。

「できることは全部やる」それが園田の信条だ。

園田は恐怖を振り払って、を打ち抜いた。

試合は前原の一発ツモで決着。

役無しでドラが1枚の手、ここまでは読み通りだっただろう。

結果だけで言えば、は切らなくても試合には勝っていた。

しかし、園田は自分の読みを信じて、を打ち抜いた。

巧みな仕掛けに的確なリーチ判断、そして土壇場で読みを貫く意志。

これぞ、魔術師の完全復活と言えるだろう。

インタビューでは、やり切った顔で清々しい表情。

ドリブンズの王座奪還へ向けて、ついにすべての歯車が噛み合いだした。

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