しかしを引いて打
完全にピンズを止めた。
やはりこの人は一筋縄ではいかない。
そして村上がテンパイ。
魚谷が止められないマンズ待ち。
魚谷も山に残っている待ちに変えていたが、先に掴んだのは村上のロン牌だった。
親を流された魚谷は残りの局でも点棒を稼ぐことはできず、悔しい4着となってしまった。
試合後インタビューに登場した魚谷は、さすがに疲れの色がにじみ出ているように見えた。
全21局、試合時間は3時間近く。
流局が9局もある重たい展開の中、魚谷は誰よりもリーチを打ち、戦った。
終電の関係で残念ながら決着を待たずに家路についた参加者も少なくはなかったが、最後まで残っていたファンはみな、そんな魚谷に対して画面越しに温かい言葉をかけていた。
もちろん、Mリーグは簡単に勝てる舞台ではない。
しかし、ファンは待っている。
昨シーズン、Mリーグを席巻したフェニックスの復活を。
そして、その中心には華麗に麻雀の海を泳ぐ、最速マーメイドがいることを。
やはり、大勢で見るMリーグは非常に楽しいし、盛り上がる。
近くにいる人と麻雀を語り会えば、より深く濃密な時間が過ごせるだろう。
新型コロナウイルスなどには細心の注意を払った上で、可能であればこうした場で麻雀を見る機会に触れていただければと思う。
麻雀でガッツポーズできるんだぜ。
仲間とハイタッチして喜び合えるんだぜ。
これって、本当に素晴らしいことなんじゃないか?
さいたま市在住のフリーライター・麻雀ファン。2023年10月より株式会社竹書房所属。東京・飯田橋にあるセット雀荘「麻雀ロン」のオーナーである梶本琢程氏(麻雀解説者・Mリーグ審判)との縁をきっかけに、2019年から麻雀関連原稿の執筆を開始。「キンマweb」「近代麻雀」ではMリーグや麻雀最強戦の観戦記、取材・インタビュー記事などを多数手掛けている。渋谷ABEMAS・多井隆晴選手「必勝!麻雀実戦対局問題集」「麻雀無敗の手筋」「無敵の麻雀」、TEAM雷電・黒沢咲選手・U-NEXT Piratesの4選手の書籍構成やMリーグ公式ガイドブックの執筆協力など、多岐にわたって活動中。