小林剛に続け! まさに全局参加、背水の陣で挑んだ石橋伸洋の覚悟【Mリーグ2020観戦記2/1】担当記者:山﨑和也

と思ったが、石橋はこの親番で力が入っているようだった。らの牌の向きが逆のままだったのである。集中しまくっていただろうか。

そのエネルギーの甲斐あってか、次々にいい牌がきて戦える手にまとまってきた。上図でどこのターツを払うかだが、打としてカンを嫌った。一見するとが場に2枚出ているペンチャンを払いたくなるが、石橋はペンがよく見えていたようだ。

カンが埋まり、すぐにリーチをかける。本日の石橋、ペンチャンや単騎待ちばかりである。寿人や前原が乗り移ったかのような、愚形もいとわぬ積極的なリーチ。

それでもやはり残り枚数が少ないので簡単にはアガれない。親のリーチをかけておき、周りを止めさせるための判断だと、筆者は思った。

しかしそうではなかった。

石橋の読みがズバリ。山に残っていたを引いてリーチツモドラの2000オールを決めた。これはお見事。

これで4万点台にまで加点し、トップが見えてきた。それも幸運によるものでなく技術で切り開いているではないか。1月の不調は何だったのかというレベルだ。

南1局1本場

今度もドラ赤にが対子。全体的にいい配牌だ。石橋!石橋!(打

しかし速そうだったのが堀だった。一巡目にいきなりペンチャンが埋まってイーシャンテン(打)。

多井は筒子のホンイツに向かう。ドラがなので1枚でも引けば満貫が見えてきそうだ。

寿人もまあまあな手格好。相対的に見て石橋の手はそれほどでもなかった。やはり恵まれているとはいえない日のようだ。

ツモが一日を通して妙に悪い寿人が動く。ここまで石橋以上に苦労を強いられていた。の両面でチー。

多井も徐々に完成形が近づいてきた。を鳴けば打待ちのテンパイに取れる。

ここは先に寿人がカンのテンパイ。赤を鳴いたので8000点に仕上がった。

完全に出遅れた石橋。現状はテンパイまではできそうだが、見るからに寿人に速度で負けていて厳しい。ラス目の寿人に放銃でもしたらまた混戦になってしまう。

おっと、場に1枚も出ていないを切った。

当然多井はポン。終盤の入り口ながら労せず鳴けてうれしい。

テンパイを維持している寿人からも出る。

これも鳴いた。

として待ちはに変化。待ちの広さでは多井が圧倒的に有利に。

石橋の切りによって、寿人VS多井の構図となった。ともに点数がない境遇なので、寿人も押すしかない。はセーフ。

このを見て石橋も動いた。先ほどの白切りは場をカオスにさせる意図かと思ったが、ここで前に向かっているのを見て、連荘を狙っているのだと認識を改めた。上図から通っていないではなく多井の現物、寿人に筋の打。ギリギリの粘りで後方につける。

が鳴けて、役ありの待ちのテンパイとなった。これまた思惑通りだろう。うまくいっている。

しかし寿人がを掴んでしまった。これは多井の当たり牌で、助かる道は打しかなかったがそれは厳しいと言わざるを得ない。ツモ切っての放銃となった。

石橋としては8000点の横移動となった。アガれなかったがいい粘りを見せて好調であることがうかがえる。寿人は苦しくなった。

南2局

親の堀の手が5巡目にしてテンパイ。打とすればカン待ちのリーチをかけられる。

堀の選択は打。リーチドラ1でよしとはせず、大きく加点を狙った一打だ。親のリーチは正義ではあるが、巡目に余裕がある場合はこのほうがよさそう。

このあとを連続で引いて、待ちの四面張に変化。これは文句なしのド級リーチを打つことができた。

一発ツモで、4000オールの大物手になった。なんと美しい手順だろうか。

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