咲乃もこが耐え抜いた先
真夏の青空に咲いた
力強き華
神域リーグはついに第9節を迎えた。
もうレギュラーシーズンは残り2節。最終節が抜け番のアキレスにとっては、今日の第9節がレギュラー最終節になる。
終盤を迎えたので、もう一度神域リーグのセミファイナル、ファイナルのシステムをおさらいしておこう。
レギュラーシーズン優勝チームは、ジャンプアップする形でファイナル進出が決定。
2位~5位のチームでセミファイナルを戦い、最下位のチームのみが敗退。
レギュラーシーズンのスコアを半分にして、ファイナルが行われる。尚、この時セミファイナルのスコアは含まれないので注意。
それらを踏まえた上で、現在のチームスコアポイントを確認しておこう。
ヘラクラスが優勝争いをリードしている形だが、まだまだわからない。
逆に、グラディウスは厳しいポイント状況ではあるが、ファイナル進出さえできれば優勝だってまだまだ現実的な位置だと言えるだろう。
後半戦ならではの緊張感が張り詰める第9節。
もちろん、全力を出し切って欲しいとは思うが、何よりも。
出場する全ての選手が、最後までこの神域リーグを心から楽しんで欲しいと願うばかりだ。
第25試合
東家 咲乃もこ (チームアトラス)
南家 鈴木たろう (チームゼウス)
西家 渋谷ハル (チームアキレス)
北家 緑仙 (チームヘラクレス)
第25試合は激しい乱打戦となった。
流局を挟んで迎えた、東2局1本場。
先制テンパイは緑仙。を引き入れて、のホンイツテンパイ。
染め手に行く基準がしっかりしているからこそ、迷いなくソーズホンイツに踏み切ることができた。
そこに追い付いたのが咲乃。
急所のカンを引き入れて、の高目イーペーコーテンパイ。
これならば十分勝負になる。リーチへ踏み切った。
更にここに追い付いたのが親のたろう。
前節では華麗な山越しを決めたゼウスの監督が、チームをプラスに持っていくために果敢に攻め込む。
3人テンパイの行方は――
咲乃が制した。たろうからを捉えてまずは8000点のアガリ。
トップをとったら連投を宣言している咲乃ではあるが、「連投したいけど、とにかくアトラスにプラスを持って帰りたい」と話しているあたり、いかにも彼女らしい。
しかしこの程度のリードでは、この第25試合は凌ぎきれない。
東3局
渋谷がイーシャンテンからを引き入れて選択。
を使いたいと思えば、マンズをリャンカンに固定する切りなんかもありそうだが。
ここは切り。
既に手の内にドラが1枚あり、ある程度の打点は担保されている。
こうしておいても、引きはを使える上に、やはり最終形はリャンメンにしたい。良い判断だと思う。
見事を捉えた。は出て行ってしまうが、それでも親でドラ1の先制リャンメンリーチが打てれば十分。
あとは――
「神域楽しすぎだろ!」
一発や裏が絡めば4000オールなのだから。
渋谷が見事な選択で親の満貫をアガることに成功。
これでトップ目に。
東3局1本場
一時的に渋谷にトップ目を譲る形となった咲乃だったが、こちらも負けていない。
配牌から役牌ドラの東が対子で、仕掛けたい手だったが、咲乃は焦らない。対面の渋谷から2枚が出るも、これをスルー。
打ち筋は冷静そのもの。