小林剛に続け! まさに全局参加、背水の陣で挑んだ石橋伸洋の覚悟【Mリーグ2020観戦記2/1】担当記者:山﨑和也

それは石橋も同じ。浮いているが切りづらかった。はいかにもポンされそうな牌である。周りの速度を落とさせる意味でも多井の仕掛けは効果的だった。

石橋が先にテンパイしたのだが、を切って場に2枚見えているカン待ちではちょっと見合わないか。ここは打でイーシャンテンに戻す。

多井が追い抜いた。カンを引いて打とする。代えて打ならカン待ちの一気通貫が完成していたが、アガりやすい三面張に構えた。これならどこからかリーチがかかってきたとしても勝負できる、やや守り重視の欲に溺れない一打だった。

石橋もテンパイ。面白いことに石橋のほうは一気通貫が確定してのリーチだった。ペンと待ちが悪いが、多井の三面張もがあと1枚しか山にない状況だった。は山にあと1枚。1対1の勝負だ。

筆者だったら役ができているので怖がってダマにしていそうだが、もう一生オリないという強い気持ちが見て取れたリーチ。

なんと、あと1枚しかなかったを石橋がリーチ直後に持ってきてしまった。

ついていない。石橋はまたも厳しい展開なのか、どっちなのか。多井は石橋をかわすことに成功し2番手に浮上した。

東3局1本場

ひとアガり決めての多井、今度は本手がきた。手がつけられなくなってしまうのか。第一打は

石橋は対子のを落としてタンヤオチートイツのイーシャンテンで構える。多井はいまいち伸びてツモが伸びておらず、徐々に形勢が変わってきた。上図から打

多井もなんとかイーシャンテンに。道中のが惜しいが、それでも赤が2枚あって、なんでもリーチをかけるといった感じになっている。

を引いて多井が先制リーチ。待ちはカンだが、寿人の第一打が、石橋と堀も萬子の上が序盤で河に切られていてよさそうである。十分アガれそうだった。

石橋も6つ目の対子が完成した。を切ればテンパイに取れるがどちらを切るか。どちらも多井には通っていない。

名探偵石橋の判断は。

切り。しかもリーチ! 単騎がよく見えたようだ。これはかなり読みが必要である。多井の第一打がなのでその周辺はなさそう、が全部見えていてが2枚見えで使いにくいという感じだろうか。とはいえ誰かの手牌構成に1枚はあってもおかしくない。

カンチャンで待っている多井はこの様子。

ちょっと失礼しますよと、堀が石橋の横に曲がったをチー。あら、ひょっこりとが見えてしまった。目に見えて1枚減ってしまい、石橋にとっては痛い。

多井のところにも1枚あるので、山にはあと1枚しかなかった。多井の欲しいは山に3枚。

枚数上は多井が有利だ。石橋ピンチ。

しかし石橋は負けなかった。を回避し、あと1枚しかないをツモ。リーチツモタンヤオチートイツで2000―4000は2100―4100。再び2着に浮上した。やっぱり今日の石橋はやってくれるかもしれない。

多井としても、あと1枚しかないことがわかって苦虫を噛み潰したような心境だっただろう。多井の押せ押せムードはいったん終了した。

東4局

石橋はまたもチャンス手が入り、一目散に字牌を払っていく。打から切ってタンヤオを意識した構えに。でも引けばを落としてメンタンピン系の手になる。

親は寿人。が暗刻でを引き、高くなりそうなイーシャンテンになっていた。これまた石橋にとって難敵である。この手はもう当分オリないだろう。

石橋にとって幸運だったのは寿人がなかなかテンパイできなかったことである。もどかしく安全牌の入れ替えが続く寿人。このストレスはスマートフォンの速度制限に匹敵するとかしないとか。

だが石橋もなかなかテンパイできない。捨て牌も後半に入り、堀と多井も追いついてきた。

寿人から出た

すかさずポンしてようやく石橋が一歩抜け出せた。打で待ちは

最後まで前に向かっていた寿人だったがテンパイできず、で放銃となった。流局間近でも有効牌が引けない&鳴けないとは。

怖い親をまたひとつ流すことができた。見た目よりも大きな2000点で石橋の連続アガり。いける。これは次の親番で大きくアガれば時代がやってくる。

南1局

いやーきつい。せっかくの石橋の親番だったが配牌が悪かった。ひとまずから発進。じゃないところを見ると、貪欲に連荘を狙ってはなさそうに見える。

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