火の鳥は灰の中から蘇る【Mリーグ2022-23観戦記1/17】担当記者:越野智紀

火の鳥は灰の中から蘇る

文・越野智紀【火曜担当ライター】2023年1月17日

第2試合

東家:渋川難波(KADOKAWAサクラナイツ)
南家:勝又健志(EX風林火山)
西家:東城りお(セガサミーフェニックス)
北家:園田賢(赤坂ドリブンズ)

セミファイナル進出を賭けた6,7,8位の直接対決… そう煽る声も聞こえてきましたが、

こちらが第2試合開始前の成績表。
レギュラーシーズン6割ほどを消化して、セミファイナル進出ボーダーのサクラナイツが▲113.5ポイント。
下位のチームが大きく勝てば自然と上位のポイントは落ちてくるものなので、7位フェニックスと8位ドリブンズは▲150.0から▲160.0ぐらいまで戻せれば充分セミファイナルに手が届きそうです。
残り37戦でフェニックス13回・ドリブンズ14回のトップと考えれば、無理してライバルチームとの着順を意識した打牌をする段階には入ってないように見えます。

つまり「まだ慌てるような時間じゃない」ので、この試合の観戦記も深刻にならずに気楽な気持ちで読んでいただければ幸いです。はい。

東3局

前局に渋川選手に満貫を放銃した東城選手の親番での配牌がこちら。

まだ流した牌の積まれる音も収まらぬうちにテンパイが入って即リーチをすると

リーチ・ツモ・ピンフ一盃口・ドラ3で7本折れの6,000オールが飛び出します。

東3局1本場

またも配牌イーシャンテンの東城選手でしたが、今度は

強力な対抗馬として登場したのが渋川選手。
345の三色も見える好配牌が入ります。

絶好のカン【8ピン】が埋まり、ピンフドラ3高め三色の【2ピン】【5ピン】待ち。
ダマテンを選べば国士無双模様の園田選手からも出アガリが期待出来そうでしたが、7巡目好形高打点のこの手。

前局に6,000オールを引いた東城選手を捲りにいくならばと、全員降りても構わない気持ちでリーチへと踏み切りました。

安めツモでもハネマンで8,400点、高めツモなら倍満で14,400点トップ目の東城選手を上回ることが出来る超大物手での一人旅を予定していた渋川選手でしたが

高めの【5ピン】を全て吸収した東城選手に追いつかれてしまいます。
待ちは【2ソウ】【5ソウ】と渋川選手の現物で余る【1ソウ】も現物。
打点も7,700あり、前局にハネマンをツモって程よくリードしている状況を考えるとダマテン選択が多数派に見えましたが

迷わずにリーチを宣言した東城選手。
一発でツモアガリ2局連続で親のハネマンを決め、全員を唖然とさせました。

東4局3本場
東城選手が一人抜けだす展開で、大接戦となった3人の2着争い。

形の苦しさからメンゼンでは対抗できないと考えた園田選手は、主導権を握るために「仕掛けたい」ホンイツに向かいます。

手牌がマンズと字牌だけになった段階で渋川選手から打たれたドラの【南】
ドラが余った南家渋川選手の進行やトップ目の東城選手が上家で2枚目から鳴きづらそうということは気になりますが、鳴かなきゃ一方的にやられるだけなので元気よくポンです。

次巡、カン【2マン】【2マン】【5マン】とカン【7マン】という難易度高すぎなリャンシャンテンが一気に見違えるツモ【2マン】
麻雀の解説でたまに聞く「手牌が引き締まる」とは正にこのこと。

体温が一気に上昇しそうなツモですが、今こそ冷静さが必要と涼しい顔をしています。

さらにもう一つの急所【7マン】引きで【2マン】【5マン】待ちホンイツドラ3のテンパイ。

渋川選手のドラを挟んだ離れた【1マン】トイツ落としから、【1マン】付近の何かを持っていそうな雰囲気が出ていて気になりましたが

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